呼吸器外科

基本診療方針

1 患者さんに解りやすい説明—複数回のインフォームドコンセントを行います。

2 患者さんに優しい手術—胸腔鏡手術、ダヴィンチ手術

3 ガイドラインに沿って呼吸器内科・放射線科など他科との連携による肺がんに対する集学的治療を行います。

4 呼吸器・縦隔病変に対する一般胸部外科手術を行っています。

5 地域医療機関への積極的な逆紹介を行います。

医師紹介

部長 みやはら りょう
宮原 亮
呼吸器外科・肺癌・縦隔腫瘍・胸腔鏡手術・ダヴィンチ手術
日本外科学会専門医 日本胸部外科学会認定医 日本呼吸器外科学会専門医評議員
日本臨床腫瘍学会暫定指導医 日本呼吸器学会呼吸器専門医 日本呼吸器外科学会ロボット支援手術プロクター
副部長 こうの ともや
河野 朋哉
呼吸器外科・肺癌・縦隔腫瘍・気胸
日本外科学会専門医(指導医) 日本呼吸器外科学会専門医・評議員 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本呼吸器学会呼吸器専門医 日本胸部外科学会呼吸器外科専門医
医長 むらにし ゆうすけ
村西 佑介
呼吸器外科一般
日本外科学会専門医 日本呼吸器学会呼吸器専門医 呼吸器外科専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医 ロボット支援手術certificate
専攻医 いわもと たくや
岩本 拓也
呼吸器外科一般

外来担当医表

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 呼吸器外科は2Dブロックの受付となっております。

診療体制と概要

診療体制

 常勤4名[うち、日本外科学会専門医・日本呼吸器外科学会専門医/評議員・日本呼吸器学会専門医・日本胸部外科学会認定医・日本臨床腫瘍学会暫定指導医・肺がん学会評議員:1名、日本外科学会専門医/指導医・日本胸部外科学会専門医・日本呼吸器外科学会専門医/評議員:1名、日本外科学会専門医・日本呼吸器外科学会専門医:2名]が治療にあたります。
 外来は月・木・金曜の午前・午後で行っています。手術は月・火・水曜に定期手術を行っていますが、適宜緊急手術も行っています。水曜日はダヴィンチ手術を行っています。

取り扱う主な疾患

 当科は胸部外科一般の診療を行っています。肺がん・転移性肺腫瘍・縦隔腫瘍・胸壁腫瘍などの切除術、気胸・呼吸器感染症(結核・膿胸など)に対する根治術を行っています。また、ロート胸、手掌多汗症などに対して手術を行っています。さらに、重症筋無力症に対する拡大胸腺摘除術も施行しています。これらの手術のほとんどに対しては、胸腔鏡を用いた低侵襲手術を施行しています。最近の低侵襲手術の新しい形としてロボット支援手術(ダヴィンチ)があり、当科でも肺がん、縦隔疾患に対してダヴィンチ手術を行ってきました。この度、最新機種のXiシステムが使用可能となりました。

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地域医療への貢献

 当院は地域がん診療連携拠点病院としての役割を担っており、術後病理病期IA期及びIB期の患者さんに関しては、肺がん地域連携手帳を持っていただき、ご紹介いただいた医療機関と連携して術後経過観察をさせていただいております。また、みぶ病診連携カンファレンスの開催や、京都医学会・京都病院学会などで演題発表や情報交換を行い、診療レベルの向上を目指しています。
 呼吸器外科部長は、ロボット手術プロクターとして、近畿地区で新たにロボット手術を開始される病院に招聘され、その普及に貢献しています。

診療実績

  2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度
肺がん 66 86 80 97 105 96
気胸・膿胸 47 52 41 40 51 46
転移性肺腫瘍 18 21 10 17
縦隔腫瘍 11 11
MG
多汗症
漏斗胸
その他 51 30 33 45 28 17
全麻 186 199 185 208 206 193
ロボツト支援手術 26 25

施設基準・学会認定

日本外科学会認定施設

日本胸部外科学会認定医制度指定施設

日本呼吸器外科学会認定修練施設

新規導入の診断・治療法、先進医療

低侵襲手術法—内視鏡手術(胸腔鏡手術)

 1993年から胸腔鏡手術を採用し、現在では80%以上を完全鏡視下で行っています。これまでに1,000例以上行ってきましたが、胸腔鏡手術の技術は日々進歩しており、開胸による傷の5分の1の傷でより詳細なリンパ節郭清を含む肺葉切除術を行えるようになっています。
 若い女性に多い重症筋無力症に対しては、従来の胸骨縦切開手術では前胸部の傷が大きく付きますが、当院では両側胸部から手術することで前胸部に傷を付けずに完全に胸腺を切徐できます。また、多汗症でも両腋窩に2箇所、3mm程度の穿刺孔の創だけで手術を行っています。

 2013年7月には、手術支援ロボット(ダヴィンチ)が当院手術室に導入されました。呼吸器外科領域の手術では、2018年4月に肺がんに対する肺葉切除術、縦隔腫瘍切除術が保険収載され、当院でも、2018年9月から保険診療によるロボット支援手術を行っています。特に縦隔疾患では胸腔内が広く使えるため有用性が高く、当科でもロボット支援手術を開始し、これまでに縦隔疾患の患者さん22名(うち重症筋無力症の患者さん4名)、肺がん患者さん41名にロボット手術を受けていただきました。
 今後、重症筋力症に対する拡大胸腺摘出術、肺区域切除術も保険収載され、ロボット支援手術の範囲が広がる見込みです。当院では、2020年4月にダヴィンチの最新モデルであるXiシステムが導入されました。従来のSiシステムと比較して、患者さんにロボットをセットする手順の簡略化、カメラ径の縮小、使用可能デバイスの種類の増加など、より低侵襲で扱いやすくなっており、今後も積極的に活用していきます。

肺がん術後5年生存率〈カプランマイヤーカーブ〉

 肺がん病期分類第8版によると、肺がんの病期は0期、I期(A、B、C)、II期(A、B)、III期(A、B)、IV期に分類されます。2011年から2020年までに当科で施行された肺がんに対する根治術は505例でした。
 それぞれの病期の症例数は、0期64例、I期309例、II期68例、III期64例であり、それぞれの5年生存率は、0期100%、I期81.3%、II期60.8%、III期39.1%でした。

学会、研究会への参加状況

 京都市立病院みぶ病診連携カンファレンスの開催や、京都医学会、京都病院学会の他、日本呼吸器外科、日本胸部外科、日本外科、日本内視鏡外科、日本肺がん、日本呼吸器内視鏡などの学会で演題発表を行っています。

 

肺がん

 肺にがんができた状態を肺がんと言います。肺を構成している細胞ががん化したものを「原発性肺がん」、ほかの臓器のがん細胞が肺に流れ着き、そこで発育したものは原発性肺癌と区別して「転移性肺腫瘍」と言います。 原発性肺がん   […]

縦隔腫瘍

縦隔腫瘍に関して  はじめに、縦隔とは、胸の中でも左右の肺に囲まれた中央部分を指します。その縦隔にできた腫瘍を縦隔腫瘍といいます。縦隔腫瘍には良性のものから悪性のものまで様々なものが含まれますが、その中でも胸腺腫・胸腺癌 […]

気胸

気胸とはこんな病気  肺は胸郭というカゴの中に納まっており、主に横隔膜が緊張したり弛緩することで容量が変化して呼吸しています。横隔膜が弛緩すると息が吐けるのは肺自体にゴム風船のように縮む性質があるからです。気胸とは肺を包 […]

漏斗胸

 前胸部の中心とおなかとの境界あたりがロート状に凹んでいる(陥凹している)状態を漏斗胸と呼びます。漏斗胸は、おおよそ1000人に1人程度の割合で起こり、男子に多いと言われています。ロート状にへこむ要因としては、前胸部正中 […]

多汗症に対する交感神経節切除術

 原発性局所多汗症の定義は、頭部・顔面、手掌、足底、腋窩に、温熱や精神的負担の有無にかかわらず、日常生活に支障をきたす程の大量の発汗を生じる状態を指します。局所多汗症の診断基準として、「局所的に過剰な発汗が明らかな原因が […]

 

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京都市立病院

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