院長あいさつ

 令和7年4月1日に京都市立病院の病院長を拝命し1年が経過しました。この1年病院の運営を支えていただきました地域の皆さまには心より感謝申し上げます。また、昨年当院は創立60年を迎え、色々なイベントを企画しました。参加いただいた患者さんやご家族、地域の皆さまにはお楽しみいただけたものと思っております。

 さて、令和7年度からの状況について触れますと、当院の強みである「がん医療の推進」では、地域がん医療連携拠点病院として、手術支援ロボットダヴィンチXi、SPの2台体制で患者さんの体に負担が少なく早い退院をめざし、現在は、泌尿器科、呼吸器外科のほか、特に消化器外科、産婦人科の2診療科を中心に手術件数を増やしています。外来化学療法では、治療前に多職種で副作用などのリスクを十分共有し、患者さんごとにきめ細やかな対応を行っています。また、放射線治療においては、強度変調放射線治療(IMRT)や定位照射などの高精度照射だけでなく、患者さんの日常生活に配慮し、疼痛緩和目的の即日対応放射線治療(1day照射)や就労支援対策の一環として夕方の時間外照射も実施しています。

 がん相談支援センターでは、全国でも先駆的な取組として、がん治療に伴う外見(アピアランス)の変化をもつ患者さんの悩み・苦痛を軽減する「アピアランスケア」の啓発普及に取組み、公募で選ばれた厚生労働省モデル支援事業として、令和7年11月に「みてみて!京都アピアランスケア展」と題した研修会を開催し、約200名の参加者を得て盛況のうちに終了しました。

 8月からは脳神経外科が新体制となり、京都府立医科大学から医師を派遣いただくことになりました。令和8年度には医師の増員があり、令和6年に整備した血管内治療機器など新たな手術機器をフル活用し、さらに精力的に診療を高めてまいります。

 時期は前後しますが、6月に導入したWeb予約(SAKU洛連携)システムは、医療機関の先生方にはとても好評です。また、ご希望のあったCTやMRI検査のWeb予約も令和8年2月下旬から開始しました。まだご利用でない先生方には是非一度試していただければ幸いに思います。
 
 昨年来盛んに報道されていますように、人口減少、高齢化社会の進行に伴い社会保障費の削減が進み、また、紛争、異常気象等の影響による物価高高騰が追い打ちをかけ、2年間固定したままの診療報酬では、ほぼすべての病院の経営が厳しくなっております。政策医療を核として、高度急性期・急性期を担う京都市立病院もその例にもれず、令和7年度から京都市の「当院の今後のあり方検討」が進められ、年度末の3月に改革の骨子がとりまとめられたところです。
 既に令和6年度より開始した収支改善の取組は令和7年度も継続し、「あり方検討」の議論が進む中、自助努力として病床の休床を進め、現在の高度急性期・急性期機能は維持したまま、令和8年3月14日から稼働病床数を440床として新たなスタートを切りました。おかげさまで、令和6年度から続く収支改善の取組の効果が徐々に出始め、病床稼働は向上しております。

 「市民のいのちと健康を守ります」という京都市立病院機構の理念のもと、自治体病院としての責務である、感染症医療、小児救急を含む救急医療など政策医療を軸として、現在の高度急性期、急性期医療を今後も続けてまいります。地域の皆さまにおかれましては、さらなるご支援を賜りますよう、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

令和8年4月
京都市立病院長 清水恒広

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