臨床工学科

臨床工学科理念 

私たちは、医療機器の適正使用のために知識や技術を臨床現場に提供し、医療安全および医療の質向上に貢献をします。

臨床工学技士(Clinical Engineer)とは

医師以外の診療補助に従事する看護師や各種医療技術者のことをメディカルスタッフと呼び、臨床工学技士はメディカルスタッフの一職種です。

医療機器の技術者は、医療機器メーカーの技術者なども含めて広義にMedical Engineerと呼ばれます。臨床工学技士はMedical Engineerの中でも、医師の指示の下で医療機器の関わる診療補助行為(例:透析などの血液浄化療法の実施や人工呼吸器の操作など)を行うことが可能である医療系国家資格であり、Clinical Engineerと呼ばれ他と区別されます。より患者の方々に近い位置で、医療機器の適正使用、安全管理のために臨床現場で働く職種です。

業務体制

2025年4月時点で、臨床工学科には19名の臨床工学技士が在籍しており、医療機器管理業務や臨床支援業務を中心に24時間体制(休診日・夜間は当直制)で業務を行っています。

当院での業務内容

1.血液浄化センター業務/移植関連業務

血液浄化センターでは、血液透析療法(HD,on-line HDF,ECUM等)を中心として、血漿交換、血漿吸着などの特殊血液浄化(アフェレシス)、腹水濾過濃縮など、様々な業務を行っています。

当院ではこれまで慢性維持透析も一部受け入れておりましたが、2024年度より急性期病院としての役割に専念するため、入院時透析と導入期(透析導入から約1ヵ月間)の透析に注力する体制となりました。

また、当院は超音波エコーを積極的に活用できる環境下にあるので、エコーを用いてシャントチェックすることはもちろん、穿刺に関してもエコーガイド下穿刺を積極的に取り入れて、より安全に穿刺ができるようにしています。

    

当院は血液疾患治療に関連する移植認定施設です。臨床工学技士はドナー(自家移植の場合はレシピエント自身)の方から採取した血液を遠心分離装置にかけて移植に必要な成分のみを抽出する工程(PBSCH,BMP等)を担っています。  

2.内視鏡センター業務

内視鏡センターでは、内視鏡装置や内視鏡スコープの始業点検および終業点検、電気メスなどの始業点検といった機器管理業務を中心としています。さらに臨床支援業務としては、検査・治療前の機器セッティングをはじめとして、内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、内視鏡バルーン拡張などの内視鏡治療時に、助手として医師の直接介助を行っています。また、内視鏡センター内における機器トラブルに対しては迅速に対応しています。

臨床工学技士による治療介助件数

 

ESD

EMR,CSP

2022年度

36件(全44件中)

253件(全308件中)

2023年度

101件(全108件中)

349件(全504件中)

2024年度

104件(全104件中)

567件(全657件中)

3.手術センター業務

手術室内における電気メスや麻酔器などの医療機器管理をはじめ、内視鏡装置・手術支援ロボット(da vinci Xi/SP)・手術ナビゲーションシステム・自己血回収装置を扱う手術に立ち会い、これらの機器の操作・管理を行っています。

また、脳や脊椎などの手術時に体性感覚誘発電位(SEP)・運動誘発電位(MEP)・聴性脳幹反射(ABR)・視覚誘発電位(VEP)・近赤外線酸素モニター(NIRO)などのモニタリング装置のセッティングや監視・操作などを行っています。

また手術室内の機器管理として、麻酔器などの定期点検を行い、機器に関する問い合わせの対応や機器トラブル発生時の初期対応をしています。

ロボット支援下手術実施実績

 

da vinci Xi

da vinci SP

2022年度

239件

2023年度

305件

13件

2024年度

230件

152件

(※当科で集計した概算値です。多科合同手術等もあり集計方法が複雑となり機構が公表する件数との誤差があり得ます。)

当院は京都府内で積極的にロボット支援下手術を行っている施設の一つです。症例数の増加に対応するため2023年度末より単孔式のda vinci SPを加えた二台体制となりました。

4.救急室(ER)・集中治療室(ICU)関連業務 

ERでは、主に人工呼吸器導入介助や心肺蘇生時の業務支援など、特に医療機器に関連した分野で柔軟な対応を行っています。

ICUでは、人工呼吸器の導入や、血液浄化装置、補助循環装置、体温管理装置など様々な生命維持管理装置の操作および保守管理を行っています。

5.心臓カテーテル検査・植込みデバイス業務

・心臓カテーテル業務

心臓カテーテル検査や治療、血管治療に用いるポリグラフ(生体情報監視装置)・造影剤自動注入器・血管内診断装置(IVUS・OCT)やRotablator(高速回転アテレクトミー)・IVL(衝撃波血管内破砕術)等の特殊治療装置の操作をはじめ、緊急時にはIABP(大動脈バルーンパンピング)・ECMO(補助人工心肺)・体外式ペースメーカ等の操作も行っています。

また清潔領域で医師のアシスタントを行い、より深く検査や治療に関わっており、医師・看護師・放射線技師と連携してチーム医療に貢献しています。
当直・オンコール体制で、時間外の緊急カテーテル検査・治療が入った際も迅速に対応できるようしており、救急医療の質が維持されるようにも努めています。

 

・植込みデバイス業務

心臓植込み型電気的デバイス(CIEDs)植込み手術の立会いをはじめ、デバイス植込み後もペースメーカ外来で定期点検・設定調整を行いフォローアップしています。

また当院では遠隔ホームモニタリングシステムによるフォローも行っており、デバイスの不具合や不整脈イベントがあれば速やかに循環器内科医に報告して早期対応できるようにしています。従来より早期にトラブルを防止できるため、患者の方の安全・安心やQOLの向上につながります。循環器内科医と共に日ごろから患者の方々を丁寧にサポートしています。

当院にはメーカー各社のプログラマを院内に常備しているため、CT・MRI・手術等がありデバイス点検な必要な患者の方がいらしても迅速に対応可能です。

6.医療機器管理業務 ・人工呼吸器関連業務

医療機器管理業務では、院内にある医療機器の保守・管理を行っています。人工呼吸器・輸液/シリンジポンプ・心電図モニターなどの医療機器は、円滑な貸出が出来るようMEセンターで中央一括管理をしています。また、医療機器の使用状況や修理状況を把握することで適切な保守・管理に努めています。

2024年度より医療機器管理システムをMARISに更新しました。修理依頼書の電子化や中央貸出機器のオンライン確認を可能にするなどして積極的なDXによる業務効率改善を推し進めています。

人工呼吸器業務は、導入および離脱や搬送など、特にトラブルが起きやすい状況での臨床支援をはじめ、ICU・一般病棟・新生児集中治療室(NICU)などで使用されている人工呼吸器が問題なく動作しているかの巡回点検を1日1回以上行っています。また、院内職員に対しての人工呼吸器研修会を開催したり、呼吸ケアサポートチーム(RST)の一員としてチームラウンドを行い、人工呼吸器の早期離脱や安全運用のために多職種で協力しています。


資格保有状況一覧

国家資格

資格名

保有人数

臨床工学技士免許

19

臨床検査技師免許

5

看護師免許

1

(2024年12月時点)

認定資格

資格名

保有人数

透析技術認定士

10

3学会合同呼吸療法認定士

7

CPAP療法士

1

消化器内視鏡技師

4

心血管インターベンション技師

3

埋込型心臓不整脈デバイス認定士

1

CDR認定

1

IBHRE

1

ICLSインストラクター

1

第2種ME技術者

16

京都DMAT隊員

2

(2024年12月時点)

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