臨床工学科
臨床工学科理念
私たちは,医療機器の適正使用のために知識や技術を臨床現場に提供し,医療安全及び医療の質向上に貢献をします。
業務体制
2014年4月より臨床検査技術科から臨床工学科として独立しました。現在,臨床工学科には14名の臨床工学技士が所属しており,臨床支援業務を中心に24時間体制(休診日・夜間は日・当直制)で業務を行っています。
また,医療機器保守管理業務は,2014年4月からPFI業務の一環として,㈱SPC京都に委託しています。
当院での業務内容
1 血液浄化センター業務
血液浄化センターでは血液透析療法をはじめ,血漿交換療法,吸着療法などの特殊血液浄化療法,腹水濾過濃縮再静注療法,末梢血幹細胞採取など多岐にわたる治療を行っています。また,2016年10月からオンラインHDFを開始し,維持透析患者さんの長期合併症予防に取り組んでいます。
2016年秋からシャント管理チーム(Vascular Access Management Team:VAMT)を立ち上げ,維持透析患者及び透析導入患者のシャント管理を他職種と協力して行っています。特にシャント穿刺に関しては,エコーガイド下穿刺を取り入れて,より安全に穿刺ができるようにしています。
血液浄化センター エコーガイド下穿刺
VAMTミーティング
2 集中治療室・人工呼吸器関連業務
集中治療室には,心臓・肺・脳・腎臓などの重要な臓器に重篤な症状のある患者さんが収容され,集中的に治療を行っています。そこで臨床工学技士は,人工呼吸器をはじめとして,急性血液浄化装置,経皮的補助人工心肺装置,大動脈バルーンパンピング装置,体温管理装置など,様々な生命維持管理装置の操作及び管理を行っています。
人工呼吸器業務では,集中治療室・一般病棟・新生児及び小児病棟で使用されている人工呼吸器が問題なく動作しているか,巡回点検を1日2回行っています。また,院内職員に対しての人工呼吸器研修会の実施や,呼吸ケアサポートチーム(RST)の一員として人工呼吸器の導入から離脱までの機器設定や監視にも携わっています。
急性血液浄化(CRRT) 人工呼吸器研修会
RSTラウンド
3 心臓カテーテル検査・ペースメーカー業務
心臓カテーテル検査室では,ポリグラフ(心電図・血圧)の操作や解析をはじめ,造影剤自動注入器や血管内超音波(IVUS)などの各種診断機器の操作や解析を行い,緊急時における除細動器や補助循環装置(ECMO/IABP)の操作や保守管理も行っています。
ペースメーカー業務では,ペースメーカー外来点検としてペースメーカープログラマーの操作・設定変更を行っています。また,手術時や放射線治療・MRI撮影時などの際に,ペースメーカーが安全に作動しているかの確認も行っています。
4 手術センター業務
手術室内における医療機器管理をはじめ,内視鏡装置・手術支援ロボット(da vinci)・手術ナビゲーションシステム・自己血回収装置を扱う手術に立ち会い,これらの機器の操作・管理を行っています。
また,胸椎・腰椎などの手術中の体性感覚誘発電位(SEP)・運動誘発電位(MEP)・聴性脳幹反射(ABR)・近赤外線酸素モニター(NIRO)などのモニタリング操作や各種モニターのセッティングなどを行っています。
手術支援ロボット da Vinci Xi
5 医療機器管理業務
医療機器管理業務では,院内にある医療機器の保守・管理を行っています。人工呼吸器・輸液/シリンジポンプ・心電図モニターなどの医療機器は,円滑な貸出ができるようMEセンターで中央一括管理をしています。また,医療機器の使用状況や修理状況を把握することで適切な保守・管理に努めています。
6 内視鏡センター業務
2019年4月から,臨床工学科が内視鏡センター業務の一端を担っています。主な業務として内視鏡装置・内視鏡スコープの始業点検業務,終業点検業務,電気メスといったME機器の始業点検などの機器管理業務をはじめ,内視鏡的粘膜切除術(EMR),内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD),内視鏡バルーン拡張など多岐にわたる治療に対して,医師の介助を行っています。また,内視鏡センター内における機器トラブルに対して迅速に対応しています。
内視鏡スコープ終業点検 内視鏡検査室