皮膚科
基本診療方針
病診連携・院内連携を大切にして、地域の基幹病院の皮膚科として診療を行っています。
1.皮膚疾患全般に対応した診療
2.豊富な経験と適切な検査に基づく正確な診断
3.各種ガイドラインを参考にした標準治療
4.地域がん診療連携拠点病院における皮膚がん診療
5.地域医療機関との密接な連携
医師紹介
部長 | たけなか ひでや 竹中 秀也 |
皮膚腫瘍,皮膚潰瘍,皮膚外科治療 |
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日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・指導医 日本皮膚科学会皮膚悪性腫瘍指導専門医 日本皮膚科学会代議員 京都府立医科大学臨床教授 |
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副部長 | おくざわ やすたろう 奥沢 康太郎 |
皮膚科全般,皮膚アレルギー,乾癬,皮膚感染症,皮膚外科 |
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・指導医 | ||
医長 | さわだ ひろこ 沢田 広子 |
皮膚科全般 |
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・指導医 | ||
医員 | なかむら けんたろう 中村 健太郎 |
皮膚科全般 |
外来担当医表
皮膚科は2Cブロックの受付となっております。
診療体制と概要
4名の常勤医師と4名の非常勤医師で外来診療を行っています。また、スタッフにより皮膚科8床などでの入院診療を行っています。
診療内容
皮膚疾患全般をカバーする診療を行っています。特に、皮膚アレルギー性疾患の原因検索、入院加療の必要な重症皮膚感染症、手術療法の必要な皮膚潰瘍や皮膚腫瘍などの診療に力を入れています。
・アレルギー性疾患
接触皮膚炎・アナフィラキシー・薬疹などのアレルギー性疾患に対しては、パッチテスト・プリックテストなどの検査により原因検索を行っています。アトピー性皮膚炎に対しては専門外来を設け、スキンケアーなどのきめ細かい生活指導を行っています。また、通院で軽快しない方や急に症状が悪化した方には入院治療を積極的に行っています。重症な場合には、生物学的製剤やJAK阻害薬を導入しています。
・蕁麻疹
慢性の蕁麻疹のほとんどは、アレルギー性ではありません。抗ヒスタミン薬を中心に治療を行います。難治な場合には、免疫抑制剤であるネオーラル(一般名:シクロスポリン)の内服や生物学的製剤のゾレア(抗IgE抗体製剤)の皮下注射を行っています。
・乾癬
近年、乾癬が肥満・高血圧・高脂血症・高血糖などのメタボリック症候群の危険因子であることが知られてきました。メタボリック症候群では、動脈硬化が過度に進行し、心筋梗塞や脳卒中などの脳心血管疾患のリスクが高まります。必要に応じて検査を行い、内科と連携して診療しています。治療では、内服・外用療法やナローバンドUVBを中心とした光線療法に加えて、日本皮膚科学会認定生物学的製剤承認施設として、種々の生物学的製剤を導入しています。
・皮膚潰瘍
皮膚潰瘍では、末梢動脈疾患(PAD)や糖尿病によるもの、肥満・静脈瘤などを背景にした静脈性のもの、さらにはリンパ浮腫に起因するものなど下肢の皮膚潰瘍にはさまざまな原因があり、病態に応じた指導・治療が重要です。植皮術などの手術による治療も行っています。必要に応じて、他科と連携して診療しています。
・皮膚感染症
皮膚感染症には、細菌・抗酸菌・真菌・ウイルスなどさまざまな病原体によるものがあります。各種の培養検査・抗体検査などによる正確な診断および薬物療法・温熱療法・手術療法などによる適切な治療を行っています。重症の蜂窩織炎・壊死性筋膜炎や帯状疱疹などでは、迅速な対応を要しますので入院加療を行っています。
・皮膚腫瘍
何よりも正確な診断が必要です。経験豊富な皮膚科医による診察に加えて、ダーモスコピー検査(拡大鏡検査、下図)、超音波検査・CT検査・PET検査などの画像検査や皮膚生検など必要に応じた適切な検査により治療方針を決めています。超音波検査では、表皮・真皮を含む浅層でも鮮明に観察できる22MHzの超高周波プローブも備えており、腫瘍性病変以外にも炎症性疾患や循環障害などの診断および治療方針の決定に効力を発揮しています(下図)。
粉瘤などの良性腫瘍では、多くの場合に日帰り手術が可能です。顔面などの部位では、色素性母斑(ホクロ)に対する縫合をしないオープントリートメント、粉瘤に対する小さく穴をあけるくり抜き法、脂肪腫に対する小切開によるスクイーズ法(摘まみ出し)など整容面に配慮した手術を行っています。
高齢化社会を背景に皮膚がんが増加傾向にあります。有棘細胞癌や基底細胞癌などの皮膚がんは、切除術や植皮術などの手術療法を行います。症状によって、化学療法(抗癌剤)、放射線療法、外用療法などを選択します。高齢者の患者さんでは、体への負担を考えた低侵襲な方法で手術や治療を行っています。悪性黒色腫(メラノーマ)や全身麻酔での手術が必要となるような皮膚悪性腫瘍などは、京都府立医科大学附属病院に紹介させて頂き、連携して治療を行っています。
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ダーモスコピー検査 | 基底細胞癌のダーモスコピー所見 |
超音波検査 (超高周波プローブによる観察) |
診療実績
2022年度の診療実績は、以下の通りです。
・外来患者数:1日平均;64.7人。紹介患者数;1,002人。紹介率;84.9%。
・入院患者数:1日平均;6.7人。新入院患者数;209人。
・手術件数:年間399件(入院手術;96件、日帰り手術;303件)。悪性腫瘍の手術;47件。
施設基準・学会認定
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医研修施設
日本皮膚科学会認定生物学的製剤承認施設