外来化学療法センターについて
京都市立病院は、2007年1月に地域がん診療連携拠点病院に指定され、外来化学療法センターを設置し、これまで5大がんおよび造血器腫瘍をはじめとして、数多くの治療を行ってきました。初診時から診療科と密に連携をとりながら、有害事象の評価、把握につとめ、セルフケア支援、服薬指導など全経過を通して多職種によるチーム医療を根底に活動しています。
がん化学療法をうけられる患者さんは、これまでがんの診断から治療にわたり、長期間の入院生活を余儀なくされていました。しかし、新規の抗がん剤や支持療法薬(副作用の予防や軽減のための薬)の開発、がん対策基本法、医療制度上の施策により、外来化学療法の環境が整い、がん患者さんが治療を受けながら、仕事や家事などの社会生活を継続することが可能となってきました。
外来化学療法センターでの治療だけでなく、内服抗がん剤やディスポーザブルの容器等を活用した在宅化学療法も行われています。そのため患者さんは、治療期間のほとんどを自宅で生活しながら治療を受けることになります。入院生活では、医師や看護師がそばにいて、わからないことや困ったことをすぐに相談できる環境ですが、外来治療では患者さんご自身で、自分の状況や治療内容を十分に理解し、セルフケアを実施していくことが大切になっていきます。患者さん自身が主体となり、安全安楽に化学療法を行えるよう、患者さんの支援を行うことが外来化学療法センターの役割です。
化学療法センターのスタッフは、専任の医師、がん専門薬剤師、がん化学療法看護認定看護師をはじめとするメンバーです。毎朝、スタッフが集合し、その日に行われる抗がん剤治療により、アレルギー症状や血管外漏出などの急性有害事象のリスクが高い患者さんや、制吐剤など支持療法薬を使用する患者さんの情報共有を行っています。また、そのような急性有害事象に対応できるようなマニュアルも整備しており、必要時は入院できるようなバックアップ体制も整えています。化学療法を行っている患者さんに出現している副作用症状など身体的な悩みだけでなく、心理的・社会的に苦痛と感じている事象に対しても、相談支援センターやがん専門看護師、緩和ケアチームなど多職種で情報を共有し、問題解決に努めています。
これからも、がん患者さんが外来で治療を受けながら、仕事や家事などの社会生活を継続できるよう取り組んでまいります。
京都市立病院のがん治療については「がん医療について」のページをご覧ください。
外来化学療法のレジメンはこちらをご確認ください。
利用件数
2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
4,341 | 4,618 | 4,985 | 5,422 | 5,185 |