静脈血栓症対策チーム
足を動かさずにいる時間が長いとふくらはぎの筋肉の深いところの静脈にできてしまう「血栓」、それが血流に乗って飛んで行き肺の動脈に詰まって生命をも奪いかねない病態に進展することがあります。「エコノミークラス症候群」として知られる静脈血栓塞栓症(=VTE)は、入院中の患者さんが急変する可能性のある恐ろしい合併症として広く認識されています。
私たち京都市立病院VTE対策チームは、VTEと診断された患者さんの診療を迅速かつ円滑に進めるために、2009年2月に医師・看護師・臨床検査技師の有志5名で発足しました。現在は医師・臨床検査技師・薬剤師・放射線技師からなる10名で活動しています。
いろいろな予防策を講じても、完全にはVTEの発生を防ぐことはできません。私たちは、京都市立病院の入院患者さんから、重篤なVTEで亡くなるかたをひとりも出さないという目標を掲げています(チーム発足以来の院内発生致死性肺塞栓:ゼロ)。さらに、ちょっと運動すると足が痛だるくなる・むくむといった後遺症(血栓後症候群)に苦しむ患者さんを一人でも減らすため、血栓をできる限り消失させることを目指した積極的な治療を提案しています。