人工股・膝関節手術におけるリハビリ
京都市立病院整形外科では,人工股・膝関節手術に力を入れており,手術症例数も増加を続けています。手術後,患者さんが早期に復帰できるように,リハビリにも力を入れており,入院から退院までの理学療法士の関わりについて,ご説明します。
1 入院日
理学療法士が訪室し,下肢の可動域や筋力,歩行速度,生活状況,痛みの程度など,初回の問診を行います。
2 手術日
手術日当日は,リハビリ等は行いません。麻酔が覚めるまで安静にしていただきます。
3 手術日翌日以降
手術日翌日には,安静によって筋力低下や深部静脈血栓症を引き起こさないために,足首の曲げ伸ばし運動をご自身で開始していただきます。
手術日翌々日からは,病棟内でのリハビリを開始します。また,手術によって荷重時期が異なり,人工股関節ではしばらく体重をかけずにリハビリを開始します。
まずは,ベッドから立ち上がり,歩行器や車イスを使用してトイレまでの移動ができるように動作練習を行います。
さらに,術後の状態を見ながら足を床について歩く練習を開始します。リハビリ室等で可動域を広げる練習や,平行棒や歩行器につかまりながら歩く練習を行い,松葉杖や杖歩行の訓練に移っていきます。また,リハビリ室内だけでなく,天気の良い日には,屋外に設けた病院の庭園での歩行訓練も行います。必要に応じて畳などの床での生活動作練習なども実施しています。
4 手術後2週間頃
抜糸や採血を行い,異常がないか確認します。
人工股関節では回復期リハビリテーション病院への転院や,人工膝関節では杖歩行や自力歩行が可能になれば退院となります。