照射技術および精度管理関連(受診される方向け)

放射線治療科の診療放射線技師(放射線治療技師)の紹介

 放射線治療技師のご紹介

放射線治療技師の役割

 

 照射業務について

照射業務とはがん(悪性腫瘍)などの病変部に対して、治療用の放射線を照射し、がん細胞を消失させたり、抑えたりすることを目的とした医療行為です。 放射線技師は、医師が立案した治療計画に基づいて放射線が正確な位置に、適切な線量で照射されるよう、さまざまな技術的情報の管理・確認を行い、照射を実施します。 また、治療装置の操作や位置合わせ、装置から取得した画像データや線量分布の確認などを通じて、照射の精度と安全性も確保しています。
さらに、放射線技師は照射の際、患者さん一人ひとりの状態を観察し、体調の変化や不安のサインにも注意を払っています。わずかな表情やしぐさの変化から、患者さんの気持ちや声に寄り添うことも、私たちの大切な役割の一つです。
私たちは、安全で確実な放射線治療を提供するとともに、患者さんが安心して照射を受けられるよう、信頼される存在であることを目指し業務に当たっています。

 

 治療計画CT業務について

放射線治療計画とは、「放射線をどこに」「どの方向から」「どのくらいの量を」当てるのかを決定する、治療の最も重要な準備プロセスのひとつです。 治療時と同じ姿勢で取得する治療計画用のCT画像を基に、そのデータを治療計画専用コンピュータに取り込み、最適な照射方法を設計します。この過程では治療効果を最大限に高め、周囲の正常な臓器への影響を最小減に抑えるために放射線の照射角度や照射する範囲、放射線の強度、線量などを緻密に検討します。

治療計画を進めるためには、正確な照射体位 (治療時の姿勢)を決定することも重要な要素です。 そのため、放射線技師は医師とともに治療計画の再現性を維持するため、症例や患者さんの状態に適した治療体位を検討しています。ここでは、患者さんと丁寧にコミュニケーションを取りながら、無理のない安楽な姿勢についても一緒に考えていきます。照射中に体が動かないようにするため、必要に応じて身体の固定具(体の型)を作成することもあります。これにより、毎回同じ姿勢で治療を受けることができ、安全かつ正確な放射線治療を受けることが可能になります。

治療計画用CTの撮像には、治療する部位や姿勢の調整などによって個人差がありますが、一般的に30分程度の時間がかかることが多いです。また、場合によっては腕を上げたり、うつ伏せになったりと、特殊な姿勢をお願いすることもあります。呼吸の動きを抑えることや、息を止めたりなどについても協力をお願いすることもあります。

放射線技師は、患者さんにとって負担ができるだけ少なく、なおかつ効果的な治療が行えるよう放射線治療チームの一員として医師・医学物理士・看護師と連携しながら、一つひとつの工程を丁寧に進めています。

 

 治療計画データの登録および治療計画検証について

治療計画装置で作成された治療計画のデータは、照射装置のシステムへ登録され、実際の治療に使用されます。当院では、この登録された治療計画データが照射装置に対して、信頼性が高いものであることを事前に十分に検証しています。これは患者さんに安全で正確な治療を提供するために欠かせない重要なプロセスです。

治療計画の検証では、異なる治療計算ソフトウェアを用いた比較や、実際の照射装置から出力させる放射線量を計測することで、治療計画通りに照射が行われるかどうかを確認します。 これにより治療計画の妥当性とその精度を確保しています。こうした多くの過程による確認作業を経た管理体制のもと、何か問題が生じれば、そのたびに医師へ報告しています。治療計画のデータの信頼性の保証や機器の精度管理を維持については、放射線技師や医学物理士が主体となり協力しながら高品質な放射線治療の提供に努めています。

 治療装置の品質管理について

放射線治療装置の品質管理に関しては高度な専門性と非常に高い精度求められる特性から、確かな技術と緻密な管理体制が不可欠です。放射線技師は、患者さんへの照射を行うだけでなく、照射装置や関連機器の精度管理に関する業務も担当しています。特に放射線治療装置や関連機器の精度管理は、治療の正確性と安全性を支える中心的な役割を果たします。定期的な点検や校正、出力線量の測定を通じて、照射装置が常に高い精度で機能できるよう国内・国外の精度管理ガイドラインに従った手法により実施し、高品質の水準を維持しています。

また、治療に関連した各種ソフトウェアや数十種類におよぶ測定器に至るまで適正に機能しているか、についても定期的に確認し、患者さんには直接見える部分だけでなく、見えない裏側でも放射線治療の品質をしっかり支えています。放射線技師や医学物理士は「縁の下の力持ち」として、治療の裏で多くの工程を支える役割を担っています。私たちは、患者さんに安心で高品質な治療を提供するために、日々の品質管理業務にも責任をもって取り組んでいます。

専門資格

専門資格

人数

主な業務内容

認定機構

放射線治療専門放射線技師

3名

照射関連、治療計画CT用撮影、
固定具作成、照射に関する庶務

日本放射線治療専門放射線技師認定機構(RTT)

医学物理士
(うち治療専門医学物理士)

2名
(1名)

治療計画の補助・検証・確認(物理面)
装置および機器の精度管理
品質管理に関する庶務

医学物理士認定機構(JBMP)

放射線治療品質管理士

1名

装置および機器の精度管理

放射線治療品質管理機構

第1種放射線取扱主任者
(うち選任)

3名
(2名)

放射線の関係法規

原子力規制委員会

医療情報技師

1名

ネットワーク管理
医療情報に関する保守管理

日本医療情報学会

治療装置の構成

当院では、 患者さんの疾患や状態に応じて2種類の放射線治療を行っています。 ひとつめは体外から放射線を照射する外部照射、もうひとつは体内に専用器具等を挿入し、身体の内側に放射線源を一定の時間留めて照射する密封小線源治療を実施しています。

照射実績

新規患者数および再来患者数(年度別)

 

 

2022年度

2023年度

2024年度

新規患者

436

380

426

再来患者

64

75

67

高精度照射実人数(年度別)

 

 

2022年度

2023年度

2024年度

IMRT

96

80

99

SRT

7

7

6

SBRT

19

18

34

IMRT : 強度変調放射線治療、SRT : 定位放射線治療(脳)、SBRT : 体幹部定位放射線治療

密封小線源治療実人数(年度別)

 

 

2022年度

2023年度

2024年度

腔内照射

19

13

12

組織内照射
ハイブリッド照射

7

9

3

 

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