京都市立病院看護部

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専門・認定看護師

高度化・専門分化が進む医療現場において

 看護ケアの広がりへの対応と看護の質向上を目的に、専門・認定看護師を配置しています。

 専門・認定看護師は、各領域における看護実践はもとより、スタッフのスキルアップのための教育を行っています。

がん看護 1名 皮膚・排泄ケア 2名
母性看護 1名 新生児集中ケア 1名
老人看護 1名 脳卒中リハビリテーション看護 1名
小児看護 1名 糖尿病看護 1名
がん化学療法看護 3名 認知症看護 3名
がん放射線療法看護 2名 手術看護 1名
緩和ケア 3名 救急看護 1名
乳がん看護 1名 クリティカルケア 1名
感染管理 3名    
摂食・嚥下障害看護 2名    

 

がん看護専門看護師

松村 優子

 がん看護専門看護師を取得して12年ですが、最近になってようやくがん看護の魅力が分かってきました。この道を選んでよかった、そう素直に思う今日この頃です。

 私自身もがん体験者です。だからこそ、がんになって、何かを失っても、当たり前の日常を当たり前のように送ることができるよろこびを、患者さんとその家族とともに分かち合うことができたらと願って、がん相談支援センターを軸に、横断的に活動しています。

母性看護専門看護師

前田 一枝

 母性看護専門看護師として、女性の生涯の健康や子どもの健全な育ちのために、院内の虐待やDVに対応する『虐待対策チーム』と臨床倫理に取り組む『倫理コンサルテーションチーム』の一員として、院内で横断的に活動をしています。

老人看護専門看護師

大田 恵子

 高齢者は入院することで老年症候群の出現や生活機能が低下することがあります。入院しても、入院前と同じような生活を送ることができ、少しでも心地よく生活することができれば、老年症候群の出現や生活機能の低下も予防できると考えます。
 患者様のそばにいる時間が長い看護師だからこそ、予防ケアに介入できると考えています。看護師も一緒に楽しみながら、急性期病院の高齢者看護実践を高めていきたいと考えています。

小児看護専門看護師

岩﨑 由美子

 小児看護専門看護師の役割は、こどもたちが健やかに成長・発達していけるように療養生活を支援し、他の医療スタッフと連携して水準の高い看護を提供することです。小児看護の対象は0歳から成人までのこどもとその家族と幅広く、病棟スタッフや多職種と協働しながら、こどもにとって一番良いことを考え、ケアを提供しています。こどもや家族のこえをきくこと、環境を調整し、こどもとして、家族としていられるように支援していくことを大切にしています。

 

がん化学療法看護認定看護師

乾 和江 ・ 本田 薫 ・ 大柿 深雪

がん化学療法看護認定看護師の活動

 がん治療薬や支持療法の進歩により、患者さんが仕事や日常生活を続けながら治療を受けることが一般的になってきました。一方で、副作用と向き合いながら生活を維持するためには、治療と生活のバランスをとり、無理のないセルフケアを継続することが重要です。

 また、治療に伴う脱毛や皮膚障害などの外見の変化は、患者さんの生活や社会参加に大きな影響を与えることがあります。当院では、こうした外見に関する悩みに対しても支援を行い、「外見の変化によって困る人をなくす」ことを目標に、アピアランスケアにも力を入れています。

 がん化学療法看護認定看護師は、病棟や外来において、患者さん一人ひとりの生活背景や価値観に合わせた「実現可能なケア」を共に考え、症状マネジメントに加えて外見のケアも含めたトータルサポートを行い、患者さん・ご家族が安心して治療を受けられるよう支援しています。

 現在、当院には3名のがん化学療法看護認定看護師が在籍し、外来化学療法センター、外来、女性病棟(産婦人科・外科・乳腺外科・血液内科の混合病棟)で活動しています。

 

外来化学療法センター

 当院では、外来化学療法センターと各科病棟が連携した体制で、継続的な治療支援を行っています。

 外来化学療法を受ける患者さんは年々増加しており、高齢で合併症を有する方も多くなっています。そこで、2021年度より、70歳以上の患者さん全員に対してG8(Geriatric-8)を用いた高齢者機能評価を実施しています。

 評価結果をもとに、医師・看護師・薬剤師・医療ソーシャルワーカー(MSW)による多職種カンファレンスを行い、患者さんの状態に応じた個別支援を早期から開始しています。

外来での支援

 近年、診断・告知から薬物療法、さらには様々ながん治療が外来で行われるようになっています。

 当院では、がん看護に強みを持つ看護師の育成に力を入れ、OJTによる教育や学習会の開催、実践に役立つ資材の整備を行っています。また、AYA(思春期・若年成人)世代や意思決定が難しい症例に対しては、診察への同席や意思決定支援を行い、関連職種や病棟との連携を強化しています。

 さらに、治療に伴う外見の変化に対する不安や困りごとに対しても、患者さんの生活スタイルに合わせた具体的な対処方法(ウィッグの選択、スキンケア、メイクの工夫など)を共に検討し、日常生活や社会生活を継続できるよう支援しています。

院内スタッフへの教育支援

 当院ではIVナース制度を導入し、専門的な知識・技術を持った看護師が抗がん薬投与を行っています。

 対象スタッフに対しては、抗がん薬投与時のアセスメントやケア、急性の有害事象への対応に関する研修を毎年実施しています。また、時間や勤務状況に配慮し、投与管理に関する研修はWEBでも受講できる体制を整えています。

さらに、院内の専門看護師・認定看護師と協働し、年間を通してがん看護研修を実施するとともに、院外の医療従事者も対象としたELNEC-J研修を開催しています。

抗がん薬曝露対策

 当院では、すべての抗がん薬投与において閉鎖式ルートを使用し、医療従事者への曝露リスクの低減に取り組んでいます。また、環境調査の結果を踏まえ、より安全で適切な曝露対策の実践に継続的に取り組んでいます。

アピアランスケアの取り組み

 化学療法を受ける患者さんにおいて、特に脱毛は多くの方に起こりうる変化であり、治療に伴う外見の変化が患者さんの心理面や社会生活に与える影響は少なくありません。そのため当院では、アピアランスケアを「治療の一部」として位置づけ、外見の変化によって困る人をなくすことを目標に取り組んでいます。

 がん化学療法看護認定看護師は、治療開始前から患者さんの不安や生活背景を踏まえて外見の変化に関する説明を行い、脱毛や皮膚障害に対する具体的な対処方法について情報提供を行っています。

 また、患者さん一人ひとりの生活スタイルや価値観に合わせて、ウィッグの選択や帽子の活用、スキンケアやメイクの工夫など、日常生活を継続するための実践的な方法を一緒に考えています。

 さらに、脱毛をできるだけ予防したいという患者さんのニーズに対しては、女性病棟において「セルガード」を用いた頭皮冷却療法を導入し、脱毛の軽減を目的とした支援を行っています。医師と協働し治療内容や患者さんの状態を踏まえながら、患者さんが納得して選択できるよう支援しています。

 これらの取り組みを安全かつ継続的に提供できるよう、がん化学療法看護認定看護師は、アピアランスケアに関する院内の体制整備や手順の標準化、スタッフへの教育・相談支援を行い、チーム全体で質の高いケアを実践できる環境づくりに取り組んでいます。

 外見のケアを通して、患者さんが自分らしく生活を続けられるよう支援しています。

がん放射線療法看護認定看護師

杦岡 かおる

 放射線療法を受けるがん患者さんとそのご家族が安心して治療を受けることができるように、治療を決めていくときにサポートします。そして、治療中から治療後に持続・出現する治療に伴う副作用症状に対するケア方法を提案し、一緒に取り組んでいきます。

 当院の放射線治療科は、仕事を継続しながら治療を受けることができるように、治療時間に対する希望をお聞きしています。また、がん患者さんへの就労支援として照射時間枠を延長し、夕方の治療も行っており、就労と治療の両立支援に力を入れています。

 2022年から放射線療法看護外来を開設し、当院で放射線療法を受けた後も治療に伴う様々な身体的・精神的・社会的な苦痛に対して、多職種と連携を図り支援を行っています。

中川 紀直

 放射線療法はがん治療の1つとして根治治療から症状緩和まで幅の広い治療です。しかし、放射線療法について十分に理解されている方は多くはないと思います。患者さんやご家族が安心して治療を継続し最後まで受けられるよう、病期に合わせた意思決定を支援しています。また、治療中・治療後は放射線療法による副作用に対して、予防や症状緩和のセルフケアをサポートしています。放射線療法看護外来では治療終了後の経過をたどりながら、患者さんやご家族の生活にあわせて支援しています。

緩和ケア認定看護師

吉田 克江

 私の活動拠点『がん相談支援センター』では、がん患者さんとそのご家族の相談を受けています。がんと診断される人は増え続けていますが、医療の進歩に伴いがん治療だけでなく、がんとの共生を目指す時代になっています。

 緩和ケアは、がんの早期から受けるケアであるという考え方も少しずつ普及しつつありますが、がん患者さんとそのご家族は多くの不安や悩みを抱えながら日常生活を送られています。がんの診断直後や治癒が難しくなった時の気分の落ち込み、どこでどんな治療を受けるか、治療に伴う副作用症状や外見の変化に関する悩み、仕事と治療の両立、医療費に関する問題、回復が難しくなった時どこでどんな風に過ごしたいのか…等々。落ち着いた環境で、時間の制約を受けずにゆっくりとお話を伺い、少しでも気持ちが軽くなるよう、また一つでも不安なことが解消されるよう、患者さんやご家族のサポーターとしての姿勢を心がけています。

東 由加里

現在、緩和ケアチームの中で以下の活動を行っています。

①緩和ケア外来では、医師や心理士と共に身体症状の緩和や不安など心のケアを実施

②入院中のがん患者さんやそのご家族へ多職種でサポート

 多くの患者さんは痛みや呼吸困難、全身倦怠感などの身体症状や様々な不安を抱えて生活をしておられます。仕事や家族のこと、これまで大切にしてきたことなど丁寧にお話を聴き、治療やこれからの過ごし方を一緒に考え、その人らしい生活を支えるケアを提供しています。

緩和ケア特定認定看護師

森田 志保

 私は、緩和ケア病棟で患者さんが「心地よい」「気持ちいい」と感じることができ、少しでも身体の辛さが緩和されるような看護ケアを日々実践しています。

 また、身体だけでなく患者さんとその家族の不安や心配事など心の辛さにも寄り添い、最期まで自分らしく過ごすことができるよう多職種と協同しています。

乳がん看護認定看護師

荻野 葉子

 日本では、女性のがん罹患率1位は『乳がん』です。9人に1人が乳がんになるといわれています。

 私は、乳がん患者さんとご家族を告知や治療選択時から精神的に支え、患者さんが納得いく選択ができるよう継続的に支援しています。さらに、治療に伴うリンパ浮腫など合併症や副作用、身体に起こりうる様々な症状に対して症状緩和やセルフケアについてもサポートしています。

 乳がんは、他のがんにくらべて若い年代で罹患率のピークがあります。仕事や育児をしながら治療を継続できるよう一緒に考えていきたいと思います。

 また、コロナ流行期は開催を中止していた『乳がん患者会“ビスケットの会”』を再開しました。この患者会では、日常生活に戻られている患者さんとの交流の機会を大事にし、患者さんの悩みや不安の表出、情報共有の場として過ごしていただいています

ビスケットの会は、定例会、おしゃべりサロンに、再発乳がん患者の会も加わりました。

感染管理認定看護師

村上 あおい

 当院は、明治時代の公立避病院から続く感染症診療を行い、第二種感染症指定医療機関としての役割を担っています。地域に根付く感染管理を目標にICT・ASTが中心となって活動し、新興感染症への対応力向上を含めた地域横断的活動を推進したいと考えています。また、2040年頃を見据えて、加速する少子高齢化を背景に急性期病院として在宅医療との連携は必須になります。今後当院の感染管理は、近隣の在宅医療施設、高齢者施設、障碍者施設、教育機関とも連携強化を図り、市中における中核的な役割を発揮したいと思います。(2026年3月更新)
 

HIV感染症看護師(日本エイズ学会認定)として
 当院は、エイズ治療拠点病院としてHIV陽性患者さんの治療と生活を支える役割を担っています。HIV陽性患者さんの治療が負担なく継続され、生活が維持できるよう支援しています。また、HIV感染症に関わる啓発活動については、まだまだHIV感染症に係る偏見や差別が残り、HIV陽性者の生きづらさにもつながることがあります。引き続き、HIV感染症の正しい知識、予防啓発に向けて、地域や高齢者介護施設、教育機関などへ活動を広げていこうと考えています。

 

水野 幸子 

 現在病棟に所属し、兼任の認定看護師として日々現場での感染対策推進に努めています。2023年5月より、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行され、臨床現場での対応も少しずつ変化していますが、患者さんやご家族、医療従事者を守るため、引き続き医療機関内での感染対策を推進していきたいと思っています。

 今年度は、数年間流行のなかった季節性インフルエンザの流行や、渡航関連の輸入感染症などがみられるようになり、多様な感染症への対応が求められています。また、院内だけでなく、地域全体で感染対策を推進していくことが必要であるため、地域連携の重要性を感じています。

 また、現場スタッフと共に、日々の手指衛生遵守率向上をはじめ、第二種感染症指定医療機関としての役割を担うことができるよう取り組みたいと思います。

感染管理特定認定看護師

石川 優

 私は感染管理特定認定看護師として専従で勤務し、組織横断的な感染管理活動を行っています。感染対策は一人ひとりの取り組みが欠かせません。「患者さんを守る」「患者さんのご家族を守る」「すべての職員を守る」ために、職員の意識や対応力の向上に努めるとともに、院内や地域の多くの方々と協働し、患者さんを中心とした連続性のある感染対策に取り組んでまいります。

 

摂食・嚥下障害看護認定看護師

長谷川 優子

 超高齢化社会では、老化や疾病の発症という人生の過程の中で、栄養方法をどう選択するかが意思決定支援の重要なポイントとなっています。患者さんご自身を主軸にし、介護をされるご家族、地域の医療関係者、患者さんのニーズを満たすための支援者と一緒にどのように希望を支えるか引き続き検討していきたいと思っています。

 また、地域で生活をされる方の摂食・嚥下障害の要因となるフレイル・サルコペニアについて、早期から予防対策をとる必要性があるため、他分野の認定看護師と連携し、“健康寿命の延伸”の啓蒙や摂食・嚥下障害に関するお悩みの相談を目的とした「さくらサロン」を毎月開催しています。

森 茂子

 2017年からNSTラウンドのメンバーの一員として、2021年から摂食嚥下障害看護認定看護師として活動しています。

 摂食嚥下障害のある患者さんの「食べる」を擁護し、患者さんやご家族の意思決定を尊重できるように心がけています。

 他の専門職と協働して安全に食べれるための支援をして、地域に戻り、安心して生活できるように支援していきたいと思っています。

皮膚・排泄ケア特定認定看護師

白岩 喜美代

 皮膚・排泄ケア分野の専門は、創傷ケア・ストーマ(人工肛門 )ケア・失禁ケアで、病院内を横断的に活動しています。                      

創傷ケア: 専従褥瘡管理者として、褥瘡予防対策や褥瘡廻診を担当しています。また、それ以外の創傷ケアやスキンケア相談にも対応しています。当院に入院される褥瘡予防対策が必要な患者さんは、年間5000人を超えます。その方々が、褥瘡発生なく入院生活を送り退院できるように、また、褥瘡を持って入院された方は症状が改善するように、各部署のスタッフと協力しています。

ストーマケア: 当院では年間60件前後のストーマ造設手術が行われています。看護専門外来(ストーマ外来)では、手術が決定した患者さんや家族に対して、ストーマ模型を使用した説明を行い、ストーマケアの体験をしてもらうなど、手術前に具体的なイメージが持てるように支援しています。退院後の外来では、退院後の自己管理の経過を確認し、日常生活に戻られた患者さんやご家族からの相談を受けています。また、訪問看護師の相談を受けるなど、地域と連携して在宅でのケア方法を検討しています。

■令和7年度は患者視点で医療を考える機会がありました

  令和7年度は、自分自身が重篤な患者として医療を受ける機会が長期間ありました。以前は知識として理解して実践していた専門分野の事項について、患者として受ける機会があった事で “ 実際は、こうだったのか ”と新たに発見できた事や、“やっぱりそうだったのか ”と確信できた事があったので、毎年開催している褥瘡管理研修や日々の看護場面で、皆さんに伝えていきたいと考えています。また、理学療法や作業療法についての新たな知識を得たり効果を実感したりする事もできたので、当院での多職種連携コーディネートの際に活かして調整していきます。

釜子 優美子

 皮膚・排泄ケア認定看護師は褥瘡(床ずれ)をはじめとした創傷ケア、人工肛門・人工膀胱を含めた排泄ケアにおいて、スキントラブルや管理困難な状況にある患者さんやそのご家族・介護者の方に寄り添い、問題解決を図る役割を持ちます。私は、これまで様々な病院での認定活動を経て2025年8月に京都市立病院に入職し、看護専門外来や褥瘡管理の業務に従事しています。
 いつ便や尿が漏れるかわからないという生活はとても不安で、食事や水分を控えたり、外出ができなくなったり、人と会うのが億劫になったりするなど、著しく生活の質をさげることにつながります。人知れず悩んでいる方はたくさんおられます。「わかってもらえない」「仕方がない」と最初からあきらめず、ぜひご相談ください。また院内全体でも患者さんの不安な気持ちに寄り添えるよう、知識の普及にも努めていきたいと思っています。どうぞ、気軽にお声かけください。

新生児集中ケア認定看護

市田 育子

 当院は地域母子周産期センターとして、ハイリスク妊産婦・新生児を受け入れ、急性期の治療・発達促進に向けたケアを行っています。また、当NICUは半個室化となっており、「家族の始まりを支える看護」を目標に、プレネイタルビジット、カンガルーケア、長時間面会などの愛着形成支援や母乳育児支援に力を入れています。

 2022年度からNICUと小児科病棟が統合されました。NICUの退院前に小児科病棟へ移動することで、退院後の生活を見据えた育児支援が展開できるようになりました。

 毎年、小児在宅移行支援指導者研修へ派遣し、NICU~小児病棟~退院~地域での生活の中で支援が途切れないよう関わっています。

 NICU看護は、入職してから習得する知識や技術が多く不安もあると思うので、疾患の学習会に加えて、シミュレーション学習など学ぶ機会を多く設けています。私は、新生児蘇生法(NCPR)のインストラクターでもあり、NICUスタッフ全員が専門コースを取得しています。

 

脳卒中リハビリテーション看護認定看護師

的野 早苗

 脳卒中センターで脳卒中の患者さんの看護ケアをスタッフと共に行っています。

 脳卒中とは突然発症する疾患で、後遺症を残すことも多く寝たきりになる原因で第1位の疾患です。高齢化に伴い、高齢の患者さんも増えていますが、40代や50代発症される方もおられます。病棟スタッフともに、できるだけ寝たきりにならず、合併症も起こさずに早期に退院や回復期リハビリテーション病院へ転院ができるようケアを実践しています。

 入院直後の急性期には、症状が重篤化しないようモニタリングを実践しつつ早期離床できるようアセスメントしケアを行っています。また、急性期から退院を見据えてADLが自立できるようリハビリスタッフと毎日ADLウォーキングカンファレンスを実施し環境調整など取り組んでいます。再発する疾患でもあるので、退院前には再発予防のための退院指導を実施しています。

 脳卒中は「時間が重要」といわれています。すぐに治療をすることで後遺症を残さずに回復できることがあります。脳卒中の症状を覚えてもらい、発症したらすぐに救急車で来院してもらうよう啓蒙活動も行っています。

 当院通院中の患者さんと家族のために「脳卒中相談窓口」を開設しています。なにはあれば相談に来てください。

糖尿病看護認定看護師

山内 光子

 

 糖尿病は日々の生活と深く関わる慢性疾患です。

 そのため、血糖管理を継続し合併症を予防するためには「その人らしい生活」との両立が重要となります。糖尿病看護認定看護師は、糖尿病をもつ患者さんとご家族が安心して生活を送ることができるよう、専門的な知識と技術をもって支援します。患者さん一人ひとりの生活背景や思いに寄り添いながら、生活の中で無理なく継続できる方法を一緒に考え、セルフケアの確立を支援します。

当院が力を入れているフットケア支援

 当院では、急性期治療を支える血糖管理だけでなく、糖尿病足病変の予防・重症化予防に力を入れて活動しています。
 糖尿病をもつ患者さんの足は、神経障害や血流障害の影響により、小さな足のトラブルがきっかけに潰瘍や感染へ進行し、重症化すると足切断に至ることがあります。そのため、糖尿病治療において「足を守ること」は、患者さんの生活を守ることにつながります。毎日の足観察だけでは見逃されやすい、皮膚の乾燥、爪の変形、巻き爪、靴擦れ、胼胝(たこ)、白癬(水虫)などを専門的に確認し、小さな異常の段階で介入していきます。「まだ大丈夫」と思われる症状を見逃さず、患者さん一人ひとりの状態に合わせた専門的フットケアを実践しています。

認知症看護認定看護師

坂口 かおり

 超高齢化社会である現在、当院にも急性期医療を必要とする認知症の方が多く入院されます。認知症は脳の病気で脳の機能が低下することにより、過去のことを思い出せなかったり、最近の出来事を覚えられなかったりします。このほか、時間や場所、人間関係などを把握する能力(見当識)も低下するため、入院という環境の変化に適応するのが大変な方も多いです。  

 認知症看護認定看護師として、上手に伝えることのできない認知症の方の抱える不安やストレスに対応し、患者の尊厳に配慮した看護ができるよう、日々奮闘しています。

 当院には、多職種で構成された認知症ケアチームがあり、認知機能の低下した方が必要な治療を安心して受けられるよう、患者様の精神症状が落ち着いて過ごせる為の活動を行っています。

★ 地域との連携
当院の受診をきっかけに認知機能低下が明らかになった方が、今の生活を継続または、よりよくできるように地域と連携して介入をしていきます。
また、市民の方への健康教室も行っていますので、ご依頼ください。

★高齢者サポートケアチームでは不定期で「はっぴ~シニア」を発行しています。ただいま第6弾まで発行中。(2月現在) 認知症に限らず、高齢者の生活にヒントとなる内容を記載していますので、興味のある方はご連絡ください。

北川 陽子

 昨年は産前産後休業、育児休業をいただき2026年4月から復帰しました。

 久しぶりの現場復帰ではありますが、これからも多くなってくるであろう認知症をもつ患者さんのケアをスタッフとともに考え、工夫しながら取り組みたいと思っています。

 認知機能が低下して自分の言葉や気持ちをうまく表出することが難しくなっていても、その時々のニーズや、その人らしさをキャッチし患者さんが安心・安全に過ごせるよう、ケアの検討・実践に繋げていきます

 

 

阪野 真弓子

 認知症をもつ方が入院されると、身体疾患の影響や環境の変化によって体の不調を伝えられず、今までできていたことが上手くできなくなることが多くあります。私は、その方の困難さをスタッフと一緒に考え、支援できるような関りを大事にしながら活動しています。

 また他分野の認定看護師と協働し、市民の方に健康寿命延伸へ活動も行っています。

手術看護認定看護師

堤 佳代子

 当院では、日帰り手術から難易度の高い手術、手術支援ロボット(da Vinci)による低侵襲手術まで、幅広い手術を積極的に行っています。手術支援ロボット(da Vinci)についてはXi・SPの2台体制で運用しており、SPは切開創を最少1か所に減らせることができ、患者さんへの負担軽減が期待できます。しかし、手術を受ける患者さんは高齢化が進み、認知機能の低下や複数の疾患を抱えておられるなど、リスクが高い患者さんが増加しています。その中で、在院日数の短縮化に伴い手術前日の入院が多くなっているため、術前からの十分な情報収集と多職種が連携し身体的・社会的・精神的側面からアセスメントを行い、退院後を見据えた関わりが重要となっています。このように、術前に様々な準備を整え、安全に手術を受けて頂いたとしても、「術後疼痛」は患者さんにとって大きな問題です。術後疼痛は、術後せん妄のリスクとなり、術後せん妄は早期離床を妨げます。さらには食欲低下に繋がり、結果消化機能が回復しないなど悪循環に陥ります。そのため、疼痛管理を軸とした術後管理が重要となります。当院では、PCAポンプ装着患者に対して、手術翌日に多職種(麻酔科医・手術センター看護師・薬剤師・管理栄養士)によるAPS(Acute pain service)チーム回診を行い、疼痛の評価と薬剤調整を行っています。

 今年度、新たな取り組みとして手術センター看護師による「手術準備外来」の運用を目指し検討しています。現在、入退院支援センターで入院前面談を実施していますが、手術に関連した内容については熟知した看護師が面談を行うことで、患者さんがより手術についてイメージできると考えています。そして、事前に得た情報からリスク評価を行うことで安全な手術の提供に繋げることができるため、早期導入を目指して進めています。

 患者さん・ご家族が「手術を受ける」と意志決定された時から、無事に手術を終えられ術後回復されるまでの一連の過程を多職種と連携することで、患者さんが1日でも早く入院前のもとの生活に戻って頂けるように、安全で安心な周術期看護の提供を目指して、日々取り組んでいます。

救急看護認定看護師

寺崎 昌美

 救急看護は、幅広い分野で多種多様な患者さんに対して緊急度・重症度の判断が求められます。院内では急変事例の対応・検証・専門コースの研修などの教育や、救急外来でのトリアージナース育成の支援などを行っています。院外では地域住民、施設や在宅に応じた緊急・救命処置の指導などを行い、他職種や地域との連携を行っています。

 災害関係は災害発生時に院内外で活動できるよう災害支援ナースに登録しています。

 DMAT、支援ナースの派遣経験を基に看護協会の研修支援や、院内研修の企画・運営、訓練の支援を行っています。

クリティカルケア特定認定看護師

檜原 将吾

 当院では、高侵襲手術後の患者さんや敗血症や心筋梗塞などの重症疾患を発症した患者さんが集中治療室(ICU)に入室されています。近年、救命率は高くなっていますが、その後身体的障害(著名な筋力低下など)、認知機能障害(認知症やせん妄)、精神機能障害(うつ病やPTSDなど)といった症状をきたす集中治療後症候群(PICS)を発症し、入院前のような生活に戻ることが困難となっています。それらを発症しないために包括的な介入を実施するために多職種カンファレンスを開催し、可能な限り元の生活に戻れるような看護の提供を目指しています。