看護実践・部署紹介
看護実践
看護実践の指標
~多職種と協同した、転倒による損傷の予防に関する取り組み~
【安全の視点】
近年高齢患者の入院の増加に伴い、高齢者の転倒転落発生率が増加し、高齢者の特徴(ADL能力の低下、歩幅の減少、骨密度の低下等)より、転倒転落時には損傷のリスクも高まる傾向にあります。転倒転落が発生しやすい場面は、排泄行為、移動動作が最も多くなっています。当院では転倒転落予防に安易に行動制限をするのではなく、患者の尊厳を守り、自宅に近い方法で日常生活を過ごせるよう取り組んでいます。
個別のニーズに合わせた多職種による専門的なリスク評価と対策を多職種で検討し実施しています。また、医療者だけでなく、患者・家族より入院前の状況などを聞き取り、転倒転落対策に参画いただくことで、損傷による入院生活の延長を予防するよう取り組んでいます。
《令和6年度の取り組み概要》
・ 患者の個別に合わせた環境調整と、調整している環境内容を多職種と共有(図1)
(図1)
・ 多職種が共通認識で転倒転落リスクを正しくアセスメントするための定義の統一など、マニュアルの見直し。多職種カンファレンス・多職種ラウンドの推奨。(図2)
(図2)
【倫理の視点】
医療を取り巻く環境は社会の変化とともに大きく変わり続けている。医療技術の進歩、超高齢化社会の進行、多様な価値観の尊重、労働環境の変化など、さまざまな要因が看護の現場に影響を及ぼしている。こうした変化の中で看護師が適切に患者や家族に寄り添うケアを提供するためには高い倫理観が重要である。看護師は患者の言葉に耳を傾け、今後の病状や治療を予測しつつ、患者が生活の中で大切にしている事を引き出し、患者が納得いく選択枝にたどり着く事を支える重要な役割がある。令和6年度診療報酬改定で入院科通則が改定され、人生の最終段階における適切な意思決定の推進と身体拘束を最小化にする取り組みが求められ倫理の醸成は重要である。
《令和6年度取り組み内容》
看護部倫理委員会では昨年度と同様に「インフォームドコンセントに求められる看護職の役割を学び、看護実践に活かす」と目標設定を行ない、倫理的課題について考える力と看護実践能力を身につけるための事例検討を中心に活動を行なった。リンクナースは自部署でファシリテーターとなりグループワークを実践し、患者一人ひとりの尊厳を重視した意思決定支援を深める場づくりを行なった。
身体拘束最小化について日々の抑制カンファレンスシートをリンクナースがデータ管理を行い分析を行っている。そして1回/月「身体拘束ゼロday」の取り組みは多職種とカンファレンスを行い病棟全体で30分でも解除時間を設ける事で看護の力で患者の尊厳を守るケアを推進している。
【地域との協働の視点】
地域包括ケアシステムの推進に伴い、病院完結ではなく地域完結の医療にシフトしています。地域の急性期病院として地域との協働を強化し、患者の生活を支援することを重視しています。各病棟の入退院支援看護師は患者支援センターと連携し、患者・家族が安心して入院生活が送れるように入院前から面談を実施し、治療や検査、療養生活の説明を行っています。その中で、事前リスク評価等を行うことで、院内多職種のみならずケアマネジャーや訪問看護師など、地域の関係職種とも連携・協働し退院後を見据えた支援を早期から行っています。
各病棟でも受け持ち看護師が中心となり、入院早期よりケアマネジャーと連携しています。在宅での暮らしを確認し、患者家族の望む生活の場に戻れるよう患者の個別性を重視した意思決定支援を行っています。そして、退院前には退院前カンファレンスや退院前訪問、また、退院後訪問を行い、地域・外来・入院に係わる多職種がシームレスに繋がるように取り組んでいます。
《令和6年度取り組み事例》
* 訪問看護師と当院入退院支援看護師とで事例を通した看看合同カンファレンスを開催
* 退院前訪問10件(2024年12月時点)
(事例)
・大腿骨転子下骨折で手術、3階居住のため片松葉を使用しての昇降状態確認。室内の手すり位置確認。退院後のサービス確認。
・慢性腎臓病で腹膜透析導入、家屋状況の確認を行った。APD実施場所は2階、排液場所は1階であり、患者と共に退院までの計画を立案した。
・糖尿病性足壊疽で緊急入院、独居・高齢であり在宅チームと住環境整備の調整を実施。必要物品の配置場所も検討した
* 退院後訪問9件(2024年12月時点)
(事例)
・膀胱癌でストマ造設、実施した退院指導の評価・課題抽出目的で訪問。自宅環境は問題なくADLも改善。ストーマトラブルもなかった。
・膀胱癌ストマ造設、パウチ交換は家族が実施、訪看が支援している。行動意欲低下しているため、デイサービスを検討した。
・慢性腎臓病でAPD導入、排液不良でCAPDに変更となった。退院後トラブルなく経過していた。K摂取過多について食事の工夫を説明した。
災害支援ナース
災害支援ナースとは、看護職能団体の一員として、被災した看護職の心身の負担を軽減し支えるよう努めるとともに、被災者が健康レベルを維持できるように、被災地で適切な医療・看護を提供する役割を担う看護職のことです。都道府県看護協会に登録されています。災害支援ナースによる災害時の看護支援活動は、自己完結型を基本としています。(日本看護協会ホームページ引用)
当院は、災害拠点病院の役割として、数名の看護師が災害支援ナースに登録しています。
平成30年7月の西日本豪雨災害では、JMAT京都メンバー(医師、看護師、事務職員)で、7月18日・19日、倉敷市の災害支援に2名の看護師が参加しました。
活動内容は、診療介助、部分的な保清や、患者の思い等を傾聴し、疾病予防などの助言を行い、環境整備などを行いました。


クリニカルパスリンクナース
クリニカルパスとは治療や検査にあたってどのような処置を行うのか、その実施内容や順序を入力したスケジュール表のことです。 医療サービスの提供には多職種間の連携が不可欠であり、質を維持しながら効率的なサービスを行うには、治療や看護の標準化や最適化が欠かすことができません。 治療や看護を標準化し、より良い医療サービスが提供できるように、当院でも、各部署で『クリニカルパスリンクナース』が活動し、適切でガイドラインに沿ったクリニカルパスが運用されるよう支援しています。
クリニカルパスリンクナースの役割
クリニカルパスのPDCAサイクルを確立し、ガイドラインに沿ったクリニカルパスの運用を図る。 
感染対策リンクナース
病棟・部門から1名の看護師が、所属部署における感染対策活動を推進する役割モデルとして日々活動しています。
活動内容
1.感染防止対策マニュアルに準じて正しい感染対策が実践できるよスタッフを指導しています。
2.手指衛生遵守の向上にむけて、部署で使用している手指消毒薬の使用量を毎月測定し、適切なタイミングと方法で手指衛生が実施できているか直接観察により、部署の特性に合わせた指導を行っています。
3.所属部署における感染対策上の問題点を明確にし、ICT(感染制御チーム)と連携しながら改善に向けて取り組んでいます。
4.地域へ戻る患者さんやご家族、サポートする人へ向けて、患者さんの生活や支援体制に合わせた感染対策の介入や指導を行っています。
5.院内・外の感染対策に関する研修会や学会へ参加し、知識の向上と新しい情報を取り入れ、現場で活用しています。
6.部署内の環境整備に努め、安全で清潔な労働環境・療養環境を保つよう取り組んでいます。
■部署ラウンド
年3回実施(ラウンドテーマ:個人防護具の適正使用、手指衛生、尿道留置カテーテルや中心静脈ライン管理)


入退院支援リンクナース
在宅療養への円滑な移行や地域生活への復帰に向けた取り組みが重要視されるようになり、患者さんが住み慣れた地域で自分らしく生活できるよう看護の連携体制の構築が求められています。当院では各部署に入退院支援リンクナースを配置しています。入退院支援リンクナースは、患者さんの思いを大切に、患者さん・ご家族が安心して療養の場を選択し、療養が継続していけるよう支援しています。
入退院支援リンクナースの役割
- 各部署の入退院を調整する看護師として、患者さん・ご家族のニーズや意向を把握・尊重し安心して入院生活が送れ、治療後もスムーズにいつもの暮らしへ戻れるように入院前から多職種で連携しサポートを行う。
- 急性期医療から回復期・在宅医療への移行の調整時、多職種との連携を推進できるようにマネジメントを担うとともに、転院・在宅支援を行う。
- 多職種での退院支援カンファレンスの推進
- スタッフへ入退院支援・退院調整について教育指導
- 部署の問題点や傾向を把握し管理者とともに具体的な解決策を考え取り組む
実践内容
- 入院早期から退院支援の必要な人をスクリーニング
- 多職種での支援をプロセスフローチャートに可視化
- 入退院支援看護の質向上、地域との情報連携を強化する目的で退院支援要請者研修や訪問看護研修に継続的に参加
- 訪問看護ステーションと意見交換する中で情報連携の在り方、急性期病院看護師の役割について考える目的で看看合同カンファレンスを開催
部署でのリスクマネージメント
部署リスクマネージャーの役割
安全な部署環境づくり
医療安全対策の実働部隊として、部署安全マネージャーとしてリンクナースが中心となり医療安全対策活動の実践、医療安全教育を行っています。 部署安全マネージャーは月1回リスクマネジメント部会を持ち医療安全レポートの点検分析を行い分析結果から対策を検討していますが、その他に各部署の医療安全に対する課題について取り組みを行ったことの報告もしています。
6D病棟での取り組み
6D病棟は消化器内科、血液内科の病棟で、そこで部署安全マネージャーは状況を以下のように分析しました。
- 排泄目的で移動される際の転倒が多い
- 筋力低下がある
- 転倒転落される患者には薬剤(眠剤・麻薬)の使用歴はなく意識レベル低下を認めない患者が多い。
つまり、自ら排泄行動が行える患者の転倒が多いということがわかりました。そこで、排泄パターンを把握し排泄誘導することによって転倒予防ができるのではないかという仮説を立て、対象患者には看護計画を立て実践していきました。 取組を開始し毎月5~7件あった転倒転落件数が2~3件に減少しておりアクシデント事例はなく経過しています。
組織改善!第1歩目は・・・?
転倒転落のほかにも薬剤確認方法、内服自己管理の手順について、患者誤認0を目指した取組ワークシートの利用についてなど各部署で取り組んでいる課題は多岐にわたります。 どの取組も基本となるのは「医療安全レポート」と安全に対して部署内での活発な意見交換です。そして、そこにも部署安全マネージャーがひと役かって活動しています。
救急室部署安全マネージャーの”ツブヤキ”です。 診療部・放射線技術科とヤイヤイ言いながら他部門と連携をとっていく。 あれ?いいのかな?これど~思う? いや~危なかったわ~。 などなど何でも声に出していける環境づくりをしていきたいと思います。
部署紹介
※各病棟の内容は令和8年3月現在のものとなるため、現在の病棟編成とは異なります。ご了承下さい。
3A病棟:病床数42床(循環器内科27床 糖尿病代謝内科11床 皮膚科2床 腎臓内科2床)
3A病
棟では、今年度は「看護実践を可視化する取り組みを継続してくことで、質の高い看護を繋ぐ」を目標とし、外来と連携し、患者を地域で支える在宅関係者と積極的に関わってきました。入院中の状況、退院後の課題を外来担当看護師と共有しています。外来担当看護師は、退院後初回外来時に療養生活状況を確認し、必要時には在宅関係者と情報を共有することで、適切な生活支援方法を検討しています。
循環器内科では、心不全患者が住み慣れた環境で生活を続けられるように、多職種による心不全チームでケア介入を行っています。主に初めて心不全で入院した患者を対象に、週1回症例カンファレンスを開催しています。カンファレンスでケア計画を策定し、必要な生活改善や医療的フォローアップ内容を共有し、患者中心のケアを実践しています。
糖尿病代謝内科は、外来で療養指導、フットケアを担当しています。主に、2型糖尿病、1型糖尿病、妊娠糖尿病に対し、食事・運動療法、最新の薬物療法、慢性合併症の管理、急性合併症の救急対応など幅広く行っています。退院後の初回外来受診時に病棟看護師が生活状況の聞き取りをし、2025年4月から12月で退院後初回外来の患者44名に療養指導を実施しました。入院中に関わっている看護師が担当し、退院後の食事・運動の内容、内服管理方法、自己血糖測定・インスリン自己注射の方法などの困りごとを安心して話せる環境にしています。フットケア外来では、2025年4月から12月までに494名の患者に対応し、足のケアを行い、皮膚や爪トラブルの予防とセルフケア支援を行いました。
外来担当看護師や地域ケア関係者と連携を図ることで、患者・家族が退院後に感じる不安や困難を軽減し、地域での生活継続を支える体制を強化しています。また、人材育成として、実習指導者講習会受講、日本糖尿病療養指導士資格更新支援などのキャリア支援を行いました。

3B病棟:病床数8床(集中治療室 ICU:Intensive Care Unit)
集中治療室(ICU)は、重篤な急性機能不全を有する患者に対して幅広く対応しています。2024年度は生後20日の乳児から最高齢101歳まで1,097名の患者を受け入れました。多様で複雑な病態に対し、多職種が連携した医療チームとして、入院早期から迅速かつ安全な対応を行っています。また、ICU在室中や退室後に生じる身体機能、認知機能、精神機能の障害を含む集中治療後症候群(post intensive care syndrome:PICS)の予防として、疼痛評価や早期リハビリテーション、家族支援など包括的なケアを実践しています。
ICUは、昼夜を問わず医療機器のアラーム音や常時点灯している照明、治療や検査などの影響により、睡眠の質が低下しやすい特殊な環境になりやすい状況です。そこで2025年度は、サーカディアンリズム(概日リズム)を意識したケアに加え、音(騒音)や光(照明)、ケア実施のタイミングに配慮した『睡眠バンドル』(日本集中治療医学会PADISガイドライン作成委員会作成を改変)を作成、導入し睡眠環境の改善について取り組みました。
2025年7月にHCU開床したことにより、緊急入院が7月以降約1.6倍増加し、より重症度や緊急性の高い患者への対応が求められています。高度な知識と技術の習得のためにクリティカルケア認定看護師を中心として、シミュレーション学習やWebツールを活用した学習を実践につなげています。また、患者の高齢化や社会背景の複雑化により治療の意思決定支援が困難な場面も増えていることから、多職種で臨床倫理4分割表を活用したケアカンファレンスを行い、より専門性の高い診療ケアにつなげています。ICUとしての専門性を発揮し、急性期から回復期、退室後までを見据えた円滑なチーム医療は、看護ケアの質向上につながっていると実感しています。
3D病棟:病床数37床(脳神経内科14床 脳神経外科13床 内分泌内科6床 高度治療室(HCU:High Care Unit)4床)
脳
神経系・脳卒中疾患患者を中心に急性期患者を受け入れ、医師をはじめとする多職種と連携を取りながら的確な観察と適切な治療を受けられるよう看護ケアを提供しています。
脳卒中疾患は、発症に伴い麻痺や高次機能障害などが出現すると、その後の生活に支障をきたすことが多くあります。そのため治療が進むと同時に、残された力を落とさず最大限に活かせるよう患者にとって最適な看護ケアの介入が重要となります。看護師は、嚥下機能訓練や食事援助、二次感染予防、排泄行動の確立、せん妄対策や認知症対応、安全な環境整備とリハビリの推進など、「その人らしく」ご自身の力で生活できることを目指し取り組んでいます。
(右図は患者に合わせてベッド周辺のパターンを変更した環境調整の一例です)。
内分泌内科は、電解質異常や放射線治療など専門的な治療を行うことと同時に、退院後の生活指導が重要になるため外来との連携強化を図りながら継続看護を実践しています。
当病棟は、急性期治療を受ける患者の症状悪化や合併症予防を目的とした多職種カンファレンスを入院早期から実施し、病状安定後は退院後の生活を見据えた多角的かつ専門的な視点でカンファレンスを実施しています。さらに、退院前カンファレンスなど近隣の医療施設や在宅医療を担う多職種と顔の見える関係性を構築し、地域で患者を支えています。
【退院後を見据えてQOLを保ち生活能力を引き出す看護】
4A病棟:病床数36床(小児期26床 NICU6床 GCU4床)
4B病棟は、産婦人科、乳腺外科、血液内科等の女性のための混合病棟です。
産科は地域周産期医療センターの役割を担っており、糖尿病や甲状腺疾患、てんかん、精神疾患などの合併症管理を必要とする身体的・精神的・社会的ハイリスクの妊産婦を多く受け入れています。(図1)今年度は、産後ケアとして退院後訪問を行い、乳房ケアや精神面のケアを1例実施しました。実際に家庭環境を確認し乳房指導ができること、患者・家族と自宅でリラックスして話ができた点では効果がありました。退院後も継続して地域(はぐくみ室や養護教諭)との連携をすることで、生活での不安が軽減されるような支援につなげていきたいと考えています。
又、多様な妊産婦の希望に答えるため、計画的無痛分娩を導入し、令和6年度は経産婦のみ2件、令和7年度は初産婦も含め5件実施しました。
婦人科と乳腺外科は疾患の診断時から多職種で継続的に介入を開始し、患者が安心して手術療法、化学療法、放射線療法など集学的な治療が受けられるよう支援を行っています。昨年度より、ライフスタイルと治療再発等の段階で患者の思いを確認し介入するため、IPOSを確認し患者の意思決定支援などの看護ケアにつなげています。令和6年度72件、令和7年度70件(12月末現在)(表1)
産婦人科、乳腺外科は、対象者の年齢も若く、仕事や子育て等の社会的役割を担っている患者が対象になりアピアランスケアが重要視されます。これまで、がん薬物療法により出現する脱毛予防ケアとして、頭皮冷却療法を実施していますが、患者の自分らしさを支えるケアを大切にし、IPOSを通して支援につなげていきたいと考えています。
【図1】

5A病棟:病床52床(整形外科50床 歯科口腔外科2床)

5A病棟は整形外科・歯科口腔外科の急性期の病棟と、整形外科外来を担当しています。整形外科では、人工股関節・人工膝関節の置換術や大腿骨頸部骨折、脊椎疾患手術などを受ける患者が入院し、歯科口腔外科では、リスクの高い抜歯や歯根嚢胞、上下顎骨腫瘍などの手術を行っています。
近年、患者の高齢化が進み、2025年の当病棟入院患者の平均年齢は70.9歳と、高齢者の手術件数は年々増加しています。それに伴い、認知症やせん妄を有する患者も増え、転倒・術後回復遅延のリスクも高まっています。こうした背景を踏まえ、2025年度は特に高齢者看護の実践に力を入れました。身体機能、認知機能の維持と安全確保を目的に毎日のアクティビティケア(体操、玉入れ、音楽など)を積極的に取り入れることで、せん妄予防や離床促進といった一定の効果が認められています。さらに身体拘束を最小限にする取り組みとして、自己抜去防止のマフの使用など工夫をし、患者一人ひとりの安全や尊厳の保持、早期回復を支える看護を提供しています。また、腰椎手術患者において転倒件数が高いことから、腰椎術後患者を対象に転倒予防カレンダーを導入しています。その他にも、多職種で日々変化する患者状態を把握し、安全な患者搬送や療養環境が提供できるよう、ベッドサイドにADL表を表示しています。治療後の生活を見据えた支援にも力を入れ、入院時には多職種でカンファレンスを実施し、入院期間、目標とする退院先、ADLなど情報共有しています。術後1週間目には、ADL回復状況を確認し、退院後の社会福祉資源の活用やリハビリ転院などを提案しながら、退院後の生活での不安点など患者と共に考え解決できるよう関わっています。適宜、退院前後訪問を行い、患者・家族、院内外の多職種と共に自宅の環境を確認し調整を行っています。また、退院後には、入院中説明した内容が理解されているか、生活で困っていることはないかなど外来受診時に患者から聴取し、継続したケア介入を行っています。このように当病棟では、患者の思いと退院後の生活に真摯に向き合い、看護師が「患者にとって良いのではないか」という気づきから生まれた「創造し繋がる看護」を大切にしています。
5B病棟:病床数21床(血液内科21床)
5B病棟は、血液疾患患者の化学療法・造血幹細胞移植を担う血液内科病棟(21床)と、がん化学療法を受ける患者の通院治療を行う外来化学療法センターが一体となり、高度な治療と患者・家族の生活背景を踏まえた看護を提供しています。治療の長期化や患者の高齢化が進むなか、患者が治療を“受け続けられる”ことを軸に、患者一人ひとりの身体機能・生活機能の低下や生活様式の変化に対応しながら、退院後を見据えた支援につなげています。
血液疾患は発熱や感染症など急性増悪を伴いやすく、治療と同時に副作用症状の出現・ADL低下・生活機能低下・QOL低下が生じます。入院中からセルフケア支援を行い、患者自身が療養環境に適応できるよう調整することを重視しています。また、退院後の療養生活上の課題を早期に捉え、地域や多職種との連携によって、患者と家族が安心して治療を継続できる環境を整備しています。
外来化学療法センターでは、70歳以上の患者には全員に高齢者機能評価(G8)を導入し、生活状況・薬剤管理・栄養・患者のサポート体制を多角的に把握しています。得られた情報をもとに、多職種連携や地域との介入強化を早期に実施し、治療継続の安全性と生活基盤の維持が両立できるよう努めています。また、地域医療機関とは「京あんしんネット」を活用した情報共有を行い、入院前後の調整や支援を円滑に進められる体制を整えています。患者や家族との対話を通じて意思決定を支え、患者が自ら治療やケアを選択できる環境づくりにも取り組んでいます。
2025年度は、ケアカンファレンスを定着させる取り組みを進めてきました。情報の共有による安全性の向上、ケアの標準化と多職種での認識の統一、スタッフ同士の教育的相互作用の3点を目的とし、多職種で患者像を共通理解することで医療安全・治療の意思決定支援・ACPを踏まえた退院支援につなげていきます。スタッフが協働しながら、自信を持ってケアを提供できる部署を目指し、日常の支援から退院後の生活まで継続的に関わっています。
5E病棟:病床数14床(緩和ケア科14床)
5E病棟では、「対話でつなぐ 心を紡ぐケア」を部署目標に掲げ、患者さん・ご家族との対話を看護実践の基盤としています。日々の関わりの中で、症状だけでなく、その背景にある思いや大切にしている価値観に丁寧に耳を傾け、対話を通じて得られた声を看護師が受け止め、チームにつなぐことを大切にしています。
看護実践においては、IPOSを用いた包括的アセスメントを行い、身体症状に加え、心理的・社会的苦痛の把握と可視化に努めています。得られた情報は多職種カンファレンスで共有し、患者さん・ご家族の価値観に沿ったケアの方向性をチームで検討しています。さらに、定期的な多職種カンファレンスやデスカンファレンスを通じてケアを振り返り、倫理的課題についても話し合うことで、より質の高いケアの提供につなげています。

また、音楽療法や季節の行事を取り入れ、入院生活の中でも安らぎや楽しみを感じられる環境づくりを行っています。音楽や行事を通して見られる表情や言葉は、患者さんの思いを知る大切な手がかりとなり、対話を深める契機にもなっています。こうした日常の気づきをチームで共有し、一人ひとりに寄り添ったケアを紡いでいくことが当病棟の特徴です。今年度も対話を大切にし、多職種の力を生かした看護の実践を継続していきます。
6AB病棟:6A病床数34床(救急科10床・消化器内科22床・総合内科2床)・6B病床数22床(結核12床・感染症科10床)・内視鏡・エコーセンター
6AB病棟は、高齢かつ認知症を患い日常生活支援が必要な患者が多く入院する病棟です。
消化器内科は、入院の半数以上ががんと診断された患者であり、疾患確定から治療期、終末期など各病期の患者に対して多職種協働のもと、患者に寄り添う看護ケアが求められる特性があります。これらを踏まえ、2025年度は『コミュニケーション力を高め、多職種・他部門とも連携し患者ケアにつなげる』を目標にし、看護実践を推進してきました。これまでのチーム活動は、認知症・高齢者対応、内視鏡処置、排泄ケア、感染(結核)看護に加え、化学療法、終末期対応、PX(患者経験価値)のチームを構築し、看護ケアの質向上に取り組んでいます。排泄ケアチームは、夜間睡眠を妨げないオムツ選択フロー(図1)を作成しケアの中で活用しています。また、内視鏡処置チームは、業務の標準化と安全管理を目的とした検体ワゴンのセッティング(図2)を作成し、日々の業務で活用しています。2025年度は、病床稼働率が向上し病棟業務が繁忙となるなか、安全な看護実践を遂行するため、チームに係る担当者以外とも共通認識し、かつ視認性の高い業務ツールを活用した取り組みを行いました。
さらに、2025年度のPXはがん性疼痛緩和についてIPOS(統合的緩和ケアアウトカム尺度)を活用した看護ケアに取り組みました。なかでも4名の患者は、入院中最も気になる症状に『疼痛』を挙げ、他には生活に支障をきたしている症状として『食欲不振』をあげている患者が多くいました(表1)。IPOSを効果的に活用することで、患者からの声をリアルタイムに耳を傾けることが可能となり、その瞬間必要とされるケア提供がPXを向上できると考えています。

6C病棟:病床数 50床(消化器外科34床 消化器内科16床)
6C病棟の看護師は、消化管に加え、肝臓・脾臓・胆道・膵臓といった付属消化器臓器に疾患をもつ患者を対象に、周術期から化学療法、放射線治療、内科的治療・検査まで幅広く支援をしています。食事や排泄など生活に直結する変化を丁寧に観察し、治療の進行に合わせて継続的な看護を提供しています。また高齢患者の増加に伴い、複合疾患を抱える方や運動機能・認知機能が低下した方も多いため、安全に入院生活が送れるよう日々努めています。
近年、消化器外科領域ではロボット支援手術の保険収載が拡大し、当院でも胃がん・結腸がん・直腸がんに加え、食道がん・膵臓がん・肝臓がん・胆道がんといった高侵襲のロボット支援手術が増加しています。
特に食道がん手術では、手術侵襲が大きく合併症を起こす危険性も高いため、合併症の予防と十分な観察を行う必要があります。2025年度、医師・薬剤師・栄養士・理学療法士・心理士・外来看護師・がん放射線療法看護認定看護師など多職種で構成する「胃・食道がん周術期支援チーム」を発足しました。手術前の外来から術後、そして退院後の生活までを見据え、患者が主体的に治療へ取り組めるようチームで支援しています。
6C病棟の看護師は、外来看護師と連携し患者の仕事や経済面など、退院後の生活に向けた不安に寄り添います。手術目的で入院した患者に対しては、麻酔科医師・外科医師と協力し、疼痛コントロールや苦痛緩和、合併症の予防と早期発見に努めています。術後は早期離床が合併症予防につながるため、理学療法士と相談しながらリハビリを進めます。栄養面では、食事摂取量の減少により経管栄養が必要となる場合があり、退院後も継続できるよう管理方法について指導を行います。退院支援では、必要に応じて訪問看護につなぎ、退院後は外来看護師へ情報を引き継ぎます。化学療法においては、安全に化学療法を実施できるようケモナースの育成に取り組んでいます。
大腸がん手術で人工肛門を造設した患者へは、皮膚・排泄ケア認定看護師と連携し、ストーマ管理・指導を行っています。さらに、終末期の患者が自ら意思決定できるよう、医師の説明に同席し患者・家族の支援にも力を入れています。
6D病棟:病床数 48床(泌尿器科22床 腎臓内科14床 血液内科12床)・血液浄化センター18床
6D病棟は、3診療科の混合病棟です。急性期から慢性期、周術期、化学療法・透析治療まで幅広い医療、看護を提供しています。専門性の高い治療を受ける患者が多く、多職種と連携しながら安全で質の高い医療、看護の提供を目指しています。
血液内科では白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫の患者を受け入れ、治療は主に化学療法が中心です。患者に合わせた様々なレジメンがあるため、治療内容や方法・副作用などを理解し、安全に治療を提供するためのケアが必要です。そのため、化学療法を受ける患者に対して、毎朝、血液内科医師とカンファレンスの機会をもち、レジメンや副作用、ケアについて情報共有を行いで安全な治療を提供しています。
泌尿器科では主に前立腺癌、膀胱癌、腎癌などの悪性腫瘍、尿路結石の患者を受け入れ、治療は、手術療法や化学療法、放射線療法が中心です。手術は、支援ロボットによる低侵襲手術が多く、術後回復促進をめざし、術後の疼痛コントロール、ERAS(術後回復強化プログラム)プロトコールの導入を行い、多職種で介入しています。膀胱全摘回腸導管造設患者には、術前にストーマの模擬体験を実施しています。術後のボディイメージや日常生活の変化を家族とともに経験し、身体的・精神的にスムーズに受け入れる準備に繋げています。また、退院後の生活環境やストーマ管理状況を確認するために退院後に自宅訪問を行い、必要時、訪問看護師の同席により、地域との継続看護に繋げています。前立腺摘出術を受ける患者は、術後一時的な尿漏れの発生の予防や回復的ケアとして、弱まった尿道括約筋を補うために「骨盤低筋体操」の指導を行っています。術前から外来で指導を開始し、術後も体操を継続することで「尿漏れが減った」と回復を実感する患者さんからの声が聞かれ、スムーズな職場復帰、QOL向上に繋がっています。
腎臓内科では末期腎不全患者が今後の治療法を選択していくために、療養選択外来で意思決定支援を行っています。対話を通して患者ひとりひとりの生活環境や習慣・好み・思いなどを知り、患者・家族が納得して最善の治療法が選択できるまでサポートしています。
腹膜透析導入患者は自宅での治療となるため退院前に自宅訪問を行い、自宅環境や整備状況を患者・家族とともに確認しています。退院後は在宅治療が円滑に行われその人らしく過ごせているか退院後にも訪問を行いサポートしています。また必要時、訪問看護師や往診医の介入を依頼し、地域での暮らしに繋げています。


7C病棟:病床数45床(耳鼻咽喉科16床 眼科14床 脳神経内科9床 皮膚科6床)
7C病棟では、「先を見据え地域でのくらしを支える看護実践ができる」「働きがいのある職場環境に取り組むことができる」を部署目標とし多様化・高齢化する患者や家族の声に耳を傾け、いつでも・どこでも・だれでも、というユニバーサルサインの考えを大切に看護に取り組んでいます。
「先を見据え地域でのくらしを支える看護実践ができる」
超高齢化が進む中、患者を取り巻く状況は複雑化しており、私達はそうした多様なケアニーズに応じていく必要があります。そこで多職種連携、タスクシフト・タスクシェアの推進が重要と考え「頭頚部がん患者マップ」の運用を開始し、疾患や治療による機能障害、早期回復への支援と、セルフケアや支援状況を見極めた指導を患者の個別的な背景に合わせて、入院前から多職種で介入し、患者が適切な時期に安心して退院できるようにマップを活用し進めています。また積極的に倫理カンファレンスを開催し、多方面の視点から患者を取り巻くあらゆる要因を理解できるように努めています。
「働きがいのある職場環境に取り組むことができる」
疾患構造の変化と慢性的な人員不足に対応していけるように、働きやすい職場環境整備は不可欠となっています。多様な世代の看護師、異なる考え方や働き方を持つ人材が共存し、一人一人が力を発揮できる職場環境の実現に向け、これまでの看護提供体制のPNSに加え機能別方式を併せ持つ看護提供体制にトライをしました。フルタイム・時短勤務者、知識やスキルに差があっても、各々のキャリアを活かすことができるように、人とシステムを繋ぎながら“多様性・複雑性に対応できる看護”を創造できる人材育成や職場環境の構築に向け取り組んでいます。
7D病棟:病床数45床 (呼吸器内科34床 呼吸器外科11床)
7D病棟は呼吸器センターとして、肺がんに対する手術療法、化学療法、放射線療法をはじめ、肺炎や気胸、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など呼吸器全般の疾患に対する治療を受けられる患者が入院してこられます。呼吸器外科手術はほぼ全例胸腔鏡下で行われ、ロボット支援手術も多く行われています。昨年からは、より侵襲の少ないシングルポートでのロボット支援手術も行われています。APSラウンドで術後疼痛管理チームとともに疼痛管理に努め、早期離床・早期回復に繋げています。化学療法は入院化学療法の患者を対象としています。肺がん分野では新規承認薬が多く、新たな分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤を用いた治療も増加しています。病棟薬剤師やがん放射線療法看護認定看護師を中心として学習会やカンファレンスを実施し、患者の生活を見据えた退院支援やセルフケア支援、心理的援助に努めています。放射線療法についても累積線量により定期的に多職種でカンファレンスを実施し、患者の治療継続を支援しています。緩和照射も含め放射線療法を受ける患者は増加しておられ、今年度は肺がん放射線療法ケアマップを作成し適切な時期にケアを提供できるよう使用開始しました。
呼吸器センターとして質の高い看護が提供できるよう専門性を高め、治療選択においては患者の意思を尊重し、患者が治療参加を実感できる支援を心掛けています。
また呼吸器外来では、病棟看護師が外来も担当する強みを活かし病棟外来連携にも力を入れています。手術前後や気管支鏡検査後のICに同席し治療選択の意思決定を支援、化学療法や放射線療法後の健康観察、放射線療法に伴うスキンケアや誤嚥性肺炎予防の口腔ケアなどのケアの継続確認、認知・ADL等退院後の生活に不安を感じる患者の生活状況の確認等も行っています。病棟、外来ともに「面識のあるスタッフがいて安心する」と患者からの声も聞かれ、入院前から入院中、退院後と継続した支援を行うことができ看護師のやりがいにも繋がっています。

手術センター
手術センターでは診療科医師・麻酔科医師・臨床工学技士・放射線技師・薬剤師・看護師・医療事務・SPDなど多職種で連携し、バイオクリーンルーム2室、陰陽圧切り替え可能ルーム1室を含む10部屋で手術を実施しています。
昨年は新たに一部屋を全身麻酔手術対応ルームへと改修しました。これにより従来以上に緊急手術への対応が強化され、手術を迅速に受け入れられる体制となりました。2024年2月からはダヴィンチSPが導入され、ダヴィンチXiとの2台体制でロボット支援手術を中心にがん手術や難易度の高い手術などに対応し、地域がん診療連携拠点病院としての役割を果たしています。2025年、2台のダヴィンチを用いた手術件数は、京滋地区トップクラスとなっています。このような高度急性期医療を提供しつつ、地域における救急医療を担う病院として枠外手術や緊急手術も積極的に受け入れています。
手術対象患者は、乳幼児から高齢者まで全ての年代であり、それぞれに合わせた関わりを大切にし、心の準備が出来るようサポートしています。こどもの「手術センターってどんなところ?」「麻酔って何?」「こわいな…」という疑問や不安を少しでも解消し、安心して手術にのぞめるよう、多職種でこどもやご家族の気持ちに寄り添っていきたいと考えています。その取り組みとして、発達段階に合わせた手術センターの見学、麻酔時に使用するマスクを使用した呼吸の練習、人形を使った病院ごっこなど、これから起こることをイメージできるような説明をします。
手術準備外来では、術中・術後の合併症のリスクを軽減することを目的に、麻酔科医師の説明の理解度や不安の有無の確認・補足説明、禁煙や皮膚の保湿などの指導を行っています。また、術後の痛みに対する不安軽減や術後の早期回復の観点から、術後の疼痛コントロールについて情報提供し、患者に治療への参画を促しています。術後は、手術翌日に早期離床や回復促進を目的に患者を訪問し、麻酔科医師・薬剤師・栄養士・病棟看護師・手術室看護師が、術後疼痛管理チームとして術後の疼痛管理の評価を実施しています。
救急室・放射線科
京都府内の二次医療圏において、地域医療支援病院・災害拠点病院の指定を受ける病院の救急部門として、地域住民が安心して24時間救急医療を受けられるよう、安全・安心を届ける救急看護の提供に努めています。救急受診患者数は約16,000人/年、救急車の受け入れ台数は約5,400台/年を超え、様々な症状や社会背景をもつ患者に対応しています。受診される患者の年齢分布は、70代以上の高齢者が約40%を占め、高齢者の救急受診は年々増加しています。高齢患者は、複数の持病を併せ持ち生活環境への配慮が必要な状況が多いことから、救急室看護師は限られた時間の中で丁寧な観察と的確な判断が求められます。そのため、私たちは患者や家族の不安な気持ちに寄り添いながら、地域の医療機関や高齢者介護施設等と情報を共有し、患者の生活背景を考慮した関わりを通して地域と協働し、切れ目のない支援に努めています。
また、救急医療の現場では迅速な処置と円滑なチーム医療が欠かせないことから、多職種との連携強化を図り、それぞれの役割を尊重した救急診療を推進しています。また、救急処置や急変時対応の質を維持向上するため、看護師を中心とした多職種参加型のシミュレーション教育を継続して実施しています。実際の救急場面を想定したシミュレーションを行うことで、看護師一人ひとりの対応力を高めるとともに、チーム全体で支え合える体制づくりを進めています。さらに、地域の救急医療を支える取り組みの一つとして、京都市消防局より救急救命士実習を受け入れています。救急処置の実技や事例検討を通じて、搬送前の現場活動から救急診療、地域での暮らしを見据えて院内外多職種と共に途切れることのない救急医療の提供を目指しています。今後、加速する高齢化のなかで、地域のニーズに応えながら専門性の高い救急看護の実践と人材育成、そして地域との連携を大切にし、安心して受診できる救急医療の提供に努めていきます。
外来
外来診療部門は、37診療科、処置室、放射線治療室、採血室、健診センターで構成されています。外来看護では、多くの患者が診療や治療のため短時間で来院・帰宅されるため、看護師との関わりは一期一会となる側面があります。疾患や治療内容、生活背景が多様な患者・家族の思いを大切にし、がん化学療法・がん放射線療法、老年・母性看護の専門資格を持つ看護師と、経験豊富なジェネラル看護師が協働し、全人的な支援を行っています。
2025年度は、部署目標である「安心と信頼を紡ぎ質の高い看護を次世代につなぐ」を軸に、病棟から外来への初回外来介入の連携強化や在宅療養指導に注力しています。看護実践を適正に診療報酬として算定できる体制の一環として、5月には医療事務との部署内学習会を開催しました。在宅療養指導管理料への理解が深まり、看護実践を裏付ける看護記録の充実とコスト算定の徹底により、職員の病院経営への参画意識が高まり、成果が現れつつあります。また、在宅療養指導を担う看護師の質保証として「在宅療養支援能力向上のための研修」に4名が参加し、令和8年度診療報酬改定を見据えた人材育成を進めています。
がん治療における外来看護師の取り組みとしては、診断期や病期進行時の診察に同席し、患者・家族が理解を深めながら意思決定できるよう支援を行い、486件の意思決定支援に関わりました。また、放射線治療に伴う有害事象のモニタリングおよび治療継続に向けたセルフケア支援を325件実施しました。さらに、本年度発足した胃・食道周術期支援チームにも参画し、より質の高い看護の提供に努めています。
※ 過去の部署紹介はこちらからご覧ください。




























