感染症内科

基本診療方針

  1. 感染症全般の適切な診断と治療
  2. 抗菌薬を始めとする抗病原微生物薬の適正使用
  3. 新興感染症,再興感染症アウトブレイク時の診療
  4. 海外渡航者の健康維持と輸入感染症発症時の迅速な対応
  5. HIV/AIDS患者の診断・治療と療養支援
  6. 地域医療機関との連携強化

医師紹介

部長 清水 恒広
しみず つねひろ
成人小児の臨床感染症学全般,感染対策,小児科一般
日本小児科学会専門医,日本感染症学会専門医,日本感染症学会指導医,インフェクションコントロールドクター(ICD) 
医員 中逵 尚
なかつじ しょう
内科一般・感染症診療
日本内科学会認定医
医員 篠原 浩
 しのはら こう
内科一般・感染症診療
日本内科学会総合内科専門医,日本感染症学会専門医,国際旅行医学会認定医 
専攻医 寺前 晃介
てらまえ こうすけ
内科一般・感染症診療

外来担当医表(2016年4月現在)

 
内科外来(午前専門診) 中逵 寺前(成人ワ) 清水(成人ワ)  土戸(成人ワ) 篠原(成人ワ)
内科外来(午後専門診)     清水 担当医  
小児科外来(午前) 清水(成人ワ)(小児ワ)(家族ワ)       清水(小児ワ)(家族ワ)

「ワ」:ワクチン接種

取り扱う主な疾患

 尿路感染症,感染性腸炎,肺炎,心内膜炎,髄膜炎,骨髄炎,関節炎,皮膚軟部組織感染症,菌血症,難治性細菌感染症など一般感染症,インフルエンザ,HIV感染症とそれに伴う日和見感染症(AIDS発症),2類感染症(新型コロナウイルスによる重症急性呼吸器症候群いわゆるSARS,H5N1鳥インフルエンザ,H7N9鳥インフルエンザ,ジフテリア,中東呼吸器症候群MERS,ポリオ),新型インフルエンザなど感染症,3類感染症(細菌性赤痢,コレラ,腸チフス,パラチフス,腸管出血性大腸菌感染症),マラリア,デング熱,赤痢アメーバ感染症などの輸入感染症.その他海外渡航後の発熱,下痢,発疹など体調不良全般など感染症全般

得意分野

 グラム染色,培養検査を駆使した適切な感染症診断,適正な抗菌薬による必要十分な抗菌薬治療,HIV感染症診療,輸入感染症診療,厳格な感染対策などです。

診療体制と診療実績

外来

1. 診療体制

 2016年4月現在,内科外来では,月から金曜日の午前及び木曜日午後に成人患者対象の外来診療(午前は新患ならびに専門予約診療,午後は予約診療のみ)を行い,水曜日午後に予約診療でHIV感染症患者診療を中心とした外来診療を行っています。

 小児科外来では月,金曜日を中心に小児感染症診療ならびに小児を含めたご家族での海外渡航前予防接種を行っています。

 海外渡航者のための,渡航前に必要な予防接種,抗マラリア薬の処方を行う外来を,月曜日午前は小児科外来で,火から木曜日午前は内科外来で,金曜日午前は内科外来ならびに小児科外来で実施しています。内科外来は成人のみ対象で火,水,木,金曜日,小児科外来は成人及び小児が対象で月曜日と金曜日となっています。小児を含めたご家族で接種する場合は,月曜日か金曜日の午前中に小児科にお越しください。A型肝炎,B型肝炎,狂犬病,破傷風(・ジフテリア),日本脳炎だけでなく,必要に応じて麻疹,風疹,ムンプス,水痘も接種しています。2015年に認可された髄膜炎菌ワクチンも扱っています。なお,輸入ワクチンは現時点では取り扱っておりません。渡航までのスケジュールに余裕がなければ,通常6本程度同時接種を行います。また,お求めに応じて有料で英文の予防接種証明書,抗体検査証明書などを発行します。可能な限り,渡航の2ヶ月以上前からお越しいただくことをおすすめします。また,接種を希望されるご本人の母子手帳を可能な限りご持参ください。接種の参考にいたします。

注意)狂犬病ワクチンは,渡航国,滞在期間,現地での活動状況などをお尋ねして接種すべきかどうか判断いたします.予約なしで接種は可能ですが,接種の希望がありましても,接種の必要はないと判断される場合には,ご希望に添えませんのでご了承ください

2. 診療実績

 海外渡航後に何らかの体調不良を訴え受診される患者さんは,他診療機関からの紹介も含め,年間100名程度です。海外渡航前の予防接種希望者は,2015年も2014年と同程度来院されています(図1)。この中には,海外で犬などの動物に咬まれた狂犬病ワクチン接種希望者も含まれています。現在診療中のHIV感染症患者80名程度で,抗HIV薬投与患者も60名以上です。

図1 海外渡航前ワクチン接種実績(5年間)

入院

1. 診療体制

 京都市内で唯一の第2種感染症指定医療機関の指定を受け,専用病床を8床有し,「感染症法」上入院の必要な京都市及び乙訓地区の2類感染症患者はすべて収容します.2009年の新型インフルエンザ流行時には専用病院として,京都市内の病院において中心的な役割を果しました.今後もその体制を継続します.入院勧告を受けた2類感染症患者さんは,外来を経由することなく直接病棟(6B病棟)へ入ることができます。

2. 診療実績

 2015年(1~12月)の入院患者数は277人で,前年から64人増加しました(図2).診察を行った主要な感染症疾患は,菌血症を伴う尿路感染症,インフルエンザ,感染性腸炎,肺炎,感染性心内膜炎,Septic shock,HIV/AIDS,輸入感染症(デング熱,マラリア,チフス性疾患など),伝染性単核球症,髄膜炎,皮膚軟部組織感染症,骨髄炎(椎体椎間板炎など),日本海裂頭条虫症などでした。非感染症も多岐にわたっています(2014年データ 表1~4)。

図2 感染症内科入院診療実績(7年間)(人)

図3_一部修正後

治療成績

 高齢の難治性重症患者を除いて全員軽快退院されています.重症敗血症患者を集中治療室で治療する機会も増えています。

クリニカルパス

 3類感染症のうち,細菌性赤痢,コレラについては,患者用パス,医療従事者用パスとも作成が完了しました。

地域医療への貢献

  1. 清水は,京都市感染症診査協議会委員と京都府乙訓地区感染症診査協議会委員を務めています。
  2. 清水は,京都府感染症対策委員会委員,京都市結核・感染症発生動向調査委員会委員を務めています。
  3. 清水は,京都府及び京都市それぞれの,新型インフルエンザ対策有識者会議のメンバーになっています。
  4. 清水は,京都府内の医師会などで年数回,感染症または感染対策についての講演を行っています。
  5. 厚生労働省の研究班である,「熱帯病・寄生虫症に対する稀少疾病治療薬の輸入・保管・治療体制の開発研究」班の協力医療機関として,主として抗マラリア薬,抗アメーバ薬を中心に薬剤を保管し,京阪神地区の熱帯病,寄生虫症患者の治療に貢献しています。
  6. 京都府内の一般市中病院に働きかけ,京都Infection Control研究会を組織し,当院を含め,京都府内の市中病院における病院感染対策の向上を図っています。清水は,その他さまざまの京都市内の感染症・感染対策に関する研究会の世話人を務めています。

学会・研究会への参加状況

 毎年,日本感染症学会学術集会とその地方会,日本化学療法学会学術集会とその地方会,日本小児感染症学会学術集会,日本環境感染学会総会やその他近隣の研究会に参加し,演題発表を行っています。

施設基準・学会認定

日本感染症学会認定研修施設

参考文献

  1. 清水恒広,吉波尚美,加嶋 敬:京都市立病院「伝染病」診療の過去,現在,未来-細菌性赤痢からSARSまで-。京都医学会雑誌,2005;52:7~13。
  2. 松村康史,清水恒広:感染症診療の適正化を目指したICT活動~2006年の成果~。京都医学会雑誌,2008;55:31~7。
  3. 松村康史,清水恒広:ミャンマーで感染し帰国後発症した輸入つつが虫病の1例。感染症誌,2009;83:256~60。
  4. 清水恒広,松村康史:生魚の喫食後に発症したShewanella algae菌血症/化膿性椎体椎間板炎の1例。感染症誌,2009;83:553~6。
  5. Shungo Yamamoto, N.Hosokawa, M. Sogi, et al.: Impact of infectious diseases service consultation on diagnosis of infective endocarditis. Scandinavian Journal of Infectious Diseases 2012:44:270–275。
  6. 杤谷健太郎, 清水恒広, 篠原浩, 土戸康弘, モイメンリン, 高崎智彦:オーストラリア渡航中に発症したロスリバーウイルス感染症の本邦初報告.感染症誌,2014;88:155~159.
  7. 清水恒広,林彰彦,村田龍宣:多職種連携による感染症診療支援病棟ラウンドの7年-その成果と影響-.全国自治体病院協議会雑誌,2014;53:120-125
  8. Yasufumi Matsumura, M. Yamamoto, M. Nagao, A. Hayashi, T. Shimizu, et al.: Multicenter retrospective study of cefmetazole and flomoxef for treatment of extended-spectrum-β-lactamase-producing Escherichia coli bacteremia. Antimicrobial Agents and Chemotherapy 2015:59:5017-13.
  9. Shungo Yamamoto1, S. Yamazaki1, T. Shimizu, et al.: Prognostic utility of serum CRP levels in combination with CURB-65 in patients with clinically suspected sepsis: a decision curve analysis. BMJ Open 2015;5:e007049 doi:10.1136/bmjopen-2014-007049.
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