放射線治療部門(患者さん向け)

診療放射線技師の役割及びスタッフ構成

【放射線治療の照射業務】

 放射線治療の照射業務とは悪性腫瘍等の病変部に対して放射線を照射する業務のことです。当院では専門の診療放射線技師を治療装置に担当性で配置し、2名の放射線技師で患者さんの病変に照射をしています。照射業務を担当性で図ることにより、患者さんのお名前や使用する治療器具の確認、照射に関する情報を常に把握することができます。また、日々の患者さんの変化に気付くこともでき、皮膚の赤みや声のかすれなどの変化に気付いたら、迅速に治療医に伝える体制を整えています。

 また、照射中の負担を少しでも減らせるよう、照射室内に癒し系音楽を流したり、1時間以上を要する長時間の照射では天井に映像を投影したりして、リラックスして治療を受けられる環境を整えています。

【治療計画用CT業務】

 放射線治療計画用CT業務とは放射線治療が決定した後、放射線をどこに、どの方向から、どれくらい当てるか、照射に必要な情報を取得するためのCT撮影です。治療担当の放射線技師が治療計画用CTの撮影を行います。治療計画時の姿勢が照射する時の姿勢となるため、体位が保持し易くなるように固定具づくり(例:頭部用シェル)を患者さんごとに行います。そのため治療計画のCT撮影は診断目的のCT検査とは異なり、治療内容にもよりますが、おおよそ20分から30分かかります。

 また、呼吸によって病変が大きく動いてしまう時には①息を止める②圧迫用のバンドを巻く③固定具で固めるなどの方法で動きを小さくさせます。最適な治療が提供できるよう放射線技師は医師と話し合いながら治療計画用CTを進めていきます。必要に応じて腕上げやうつ伏せなどの姿勢をお願いすることもあります。撮影時に何か困った事があれば担当スタッフにお声かけください。

【治療計画データの登録および治療計画検証】

 治療計画装置で作成された治療計画データを照射装置システムに登録します。登録した治療計画データが照射装置に対して信頼度が高いデータであるかを、当院では検証しています。治療計画データの検証は異なる治療計算ソフトウェアや直接的に治療装置の出力を計測して、比較する方法などで治療計画検証を行っています。

 検証、各種装置および機器の精度管理、放射線関連の法令管理などを幅広く担当しています。患者さんの病態に合わせた適切な照射を医師、看護師と協議し、安心と安全を提供できる放射線治療に日々努めています。

専門資格

専門資格名および人数

主な内容

放射線治療専門放射線技師3名

照射技術、治療計画用CT撮影、固定具作成

治療専門医学物理士1名
医学物理士2名
放射線治療品質管理士3名

装置および機器の精度管理
高精度放射線治療計画の線量計算
治療計画の補助と作成、検証

第1種放射線取扱主任者3名

放射線の関係法規

放射線治療科スタッフ

 

治療装置の構成

 体外から放射線を照射する外部照射と体内に専用器具等を挿入し、身体の内側に放射線源を一定の時間留めて照射する密封小線源治療で放射線治療を実施しています。

【 リニアック(外部照射装置)】

 当院のリニアックは5mmのMLC(マルチリーフコリメータ)を有しており、照射野を変形させながら治療するIMRT(強度変調放射線治療)、より照射時間が短縮されるVMAT(強度変調回転照射)の高精度治療がスムーズに行える特徴があります。治療の寝台はロボットシステムを用いているため回転方向を含めた空間的な補正が実施でき、0.1mm単位で寝台移動が可能です。治療部位へのより正確な位置合わせができ、VMATなどの高精度治療を組みわせることで理想的な線量分布を再現できます。照射の前にはCBCT(照射位置確認用CT)やポータルイメージ(治療ビームによる確認写真)を撮像し、生体内の照射位置の確認を行った上、安全に治療を進めています。

【 小線源治療装置 】

放射線を自ら発する192Ir(イリジウム)線源をコンピュータで管理した照射システムで密封小線源治療を実施しています。導入当初は2次元での治療計画で腔内照射を行っていましたが、2007年12月からは先駆的にCTを用いた計画(IGBT:画像誘導小線源治療)を行うようになり、現在ではMRIも積極的に用いて、標的(腫瘍などの目的の場所)への最適な線量投与と有害事象のリスク低減に努めています。主に子宮頸癌、膣癌、気管支癌に対する腔内照射および婦人科癌に対する組織内照射を実施しています。

【 CTシミュレータ装置 】

放射線治療の専用のCT装置で、通常のCT装置よりも口径が大きいため体位を制限することなく、患者さんの状態に合わせた姿勢での計画画像の取得が可能となりました。また、呼吸による動きのある腫瘍に対しては4DCT(呼吸状態を再現したCT画像)を用いることで腫瘍の動的な部分も計画に活かすことができ、正確度を向上させています。高精度な治療を維持するために、定期的に患者さんの症例に合わせ機器の精度管理に努めています。

照射実績

年別新規患者数及び再来患者数

 

2020年

2021年

2022年

新規患者

387

390

439

再来患者

75

50

61

高精度照射実人数

 

2020年

2021年

2022年

IMRT(VMAT)

83

83

93

SRT

13

6

6

SBRT

12

20

22

IMRT : Intensity Modulated Radiotherapy
VMAT : Volumetric Modulated Arc Therapy
SRT : Stereotactic Radiotherapy
SBRT : Stereotactic Body Radiotherapy

密封小線源治療実人数  

 

2020年

2021年

2022年

腔内照射

10

17

29

組織内照射

1

0

2

2022年原発巣別新規患者数

 

対象 乳腺 呼吸器 泌尿器 耳鼻科 婦人科 消化器 血液 脳・脊髄 良性 その他 合計
患者数 146 69 57 33 42 42 31 2 9 8 439


2022年脳転移及び骨転移患者数(新患+再患)

対象 脳転移 骨転移
患者数 27 76

 

 

 

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京都市立病院

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